けいこ日誌

劇団ひの第92回公演

春立ちぬ

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川上剛 川野良昭(彩香の担任)、警官
2016/11/13

すっかり寒くなってきましたね。

今回の舞台は、どこにでもあるような家族の一風景。
そんな中に、色々な(色々ありすぎて大変?)事件が起こります。
今回は、中高生が大活躍!真に迫る演技をしています。午前中は、中高生が出てくる場面のけいこ。
なかなか今まで見ることの無かった、中高生メインの場面、見ていてリアルだなーと、思ってしまいます。
けいこを重ねるごとに面白い場面になってきています。

昼からは基礎レッスン。この基礎レッスン、実は次の6月公演、“カモメに飛ぶことを教えた猫”のレッスンなんです。このレッスン、“春立ちぬ”には出ない多くの参加者を交えて行いました。
けいこ場が若さあふれる(小学生たちもいっぱい)、とても良い雰囲気に包まれていました。
”カモメ…”の劇中で歌われる曲をみんなで歌い、みんな一生懸命、関野先生の指導に耳を傾けていました。

基礎レッスンを終わってからは、また“春立ちぬ”のけいこ。
切り替えが大変でしたが、こちらもラストスパート。気を抜く暇はありません。

私が演じるのは、中学校の先生と警官、二役演じます。学生時分に先生は見てきたものの、いざ演じるとなると
…難しいです。
学校の先生という立場と生徒とどう接しているかということを演じることに苦慮しています。
また、警官も劇の空気を変える存在として登場します。この場面、面白く出来るといいのですが…。

さあ、公演まであとわずか。観て良かったと思える芝居に出来るよう、最後の追い込み、頑張ります!

佐藤利勝 演出
2016/11/6

公開けいこ

11月6日(日)恒例になった公開けいこが開催されました。
6名の方が参加され、貴重なご意見をいただき有意義な催しでした。3名の方から感想をいただきましたので、ご紹介します。


伊藤高光(後援会会員)

戦後の急速な経済発展でとても豊かな国になった日本なのに、毎年2万人以上の人々が自ら命を絶っています。様々な理由によりますが、集団の中で心を傷つけられた事に起因する自殺は数限りなく発生しています。
誰もが、家に帰れば自慢のお父さん、お母さんであり、自慢の息子や娘です。なのに、職場や学校で理不尽な扱いを受け、誰にも弱音を吐けないまま、心の傷を深くしてしまう。相談できる相手がいれば救われるかも知れないのに、見て見ぬふりをする人ばかり。

人の心とは一体どうなっているのだろう? 
自分が一番かわいいという気持ちと他者を思いやる気持ちはどのようにバランスを取ればいいのか? 
私は誰にも恥じる事のない行いができているのだろうか? 

そんな事を考えさせられる公開げいこでした。
普段は笑顔の絶えないような家にも起こりうる話で、誰もがきちんと考えるべきテーマです。
“これは何だか重そうだな”と思った方がいるかも知れませんが、ご安心ください。どんなトンネルも出口は明るくなっています。

終盤は、役どころピッタリの中高生と新人、経験を重ねた看板役者たちから心に響く台詞が続き、思わずこみあげてしまうシーンも……。終演後のアンケートで、どのキャストのどの言葉に胸を打たれたと書こうか、などと今から思い悩んでしまうくらい、みんな真に迫る演技でした。
本番はもっと圧倒されてしまうだろうな、と公演がとても楽しみになっています。
演劇を愛する人には本当にお薦めの作品です!


緒方淳樹(次回公演参加者)

「考えさせられました!」
私は、演技経験はありますが、お芝居を見たことがなく、公開稽古に参加するのが初めてだったので、とても楽しみでした。
稽古では、真ん中で観させていただいたのですが、物語はシリアスなのに各登場人物に一笑いする場面があり、また物語が進むにつれ、登場人物に様々な背景があって夢中になって観ていました。
登場人物たちが今悩んでいること、過去の出来事に関してどう立ち向かっていくのか、また現代に生きる若者や大人たちに社会問題になっている「イジメ」に対して昔と今でどう変わり、どう関わっていけばいいのかを描いている物語となっていてとても考えさせられました。

公演まであと3週間となり、芝居をより良くしようと奮闘する人たちがそこにいました。
是非、多くの方に足を運んでいただき、楽しんで見て頂きたいと思います。


表 美子(劇団員)

イジメ、イジメ……重いテーマなんだけど、登場人物のキャラが、コミカルで人間味あって、私はめっちゃ笑ってしまいました。ミステリアスなドラマ仕立てで、そこが複雑で、面白くもあるのですが、なかなか難しい。みんな一生懸命役作りして取り組んでいるようでした。

さて、内容ですが、案外みんな同じ悩みもって苦しんでるのかもしれないと思いました。そういえば世の中も政治も弱いものイジメしてるしね。結局は大人の生き様みせな、あきませんわ。急に大阪弁になってしもうたわ。バッグに飴しのばせて、大阪のおばちゃんやらなあかんなぁ! 
本番たのしみにしています。
中高校生の活躍たのしみですよ。


皆さまのご来場をお待ちしています。

鈴木詠翔(えいしょう) / 松浦敏樹役
2016/10/30

秋も深まり、朝晩も冷え込んでまいりました。
本業であるバレエ公演との両立もありなかなか稽古に参加できるのが限られてはいま
すけど、稽古を通じて役を探る楽しさを感じております。
僕が今回演じる松浦敏樹は中学生の頃に酷いイジメを受け、そのトラウマを引きずっ
たまま頑張ってなんとか高校まで無事に卒業こそしたものの、イジメのショックから
立ち直れず、家に引きこもったまま長く人との接触や関わりを断ってきた浪人生とい
う役です。

ただ、一般的な世に言う引きこもりっぽさは出さないようにしています。
敏樹くんは今まさにそのショックやトラウマから何とか抜け出したい、立ち直ってや
るっていう気持ちはありつつも、今現在はそういう気持ちが動き出すスイッチとなる
きっかけがないので、家に閉じこもったままになっている。
敏樹君は今イジメのショックとトラウマという2つの大きな闇とまさに闘っている最
中なんです。
劇中にある「僕もまだ途中だけど」という台詞は敏樹くん自身の現在の心境を言い表
しているものだと思っています。

ひとくちには言い表せなくて、一度考え出すとキリがないのですが、僕が演じたいの
は、敏樹の心のどこかで「絶対立ち直ってこんな辛いことに負けない人間になる
ぞ」っていう気持ちを心の片隅に置くようにはしています。

イジメというのはとても心や人生に響くもの。でも人は必ずそこから立ち直って幸せ
をつかむことができる。深く傷つくものですけど、そこで諦めてはいけない。

僕自身もベルリンで一度人生に挫折を感じて何もかもを投げ出したくなったとき、の
ちの恩師となる先生にお逢いして、そこで言われた励ましの言葉があったから、最後
まで諦めず、生き甲斐を失わずに乗り切れました。

敏樹くんもきっと、自分の生き甲斐を見つけて立ち直っていくと思います。

稽古のときも、休憩などで周りの方々たちと笑ってお喋りしたりする事はあっても、
芝居に入ると敏樹くんに入り込んで全身全霊をかけて演じるようにしています。

単なる「引きこもり」ではなくて、心の中で傷や闇と戦いながら少しずつ前を向いて
生きていく。
そんな敏樹くんに感じられたらと思います。

皆さん。劇場でお会いしましょう!

清水恵 / 松浦鈴江役
2016/10/22

朝晩めっきり涼しくなってきました。いかがお過ごしでしょうか。
何を着たら良いのか、毎朝頭を抱えている清水です。

さて。
待ちに待った(?)集中けいこです。
その名のとおり、集中的にけいこする 、けいこ三昧な2日間なのです。役者さんも多く集まります。
装置、衣装も小道具も、そして音響も入ります。一気に「春立ちぬ」の世界です。

若い娘さんたちは、スラスラせりふが出てきます。すごいっ! さすが。
中高生たちのシーンは何だか“にまにま”してしまいます。
そこにわたしが加わると…う~ん。せりふがとぎれとぎれです。流れを止めてしまっています。まずい。

どーんと落ち込みつつ…。
でも夜はお楽しみの交流会。
今回は、「入団を祝う会」と「”準劇団員から劇団員になったね“の会」と「再入団。”おかえりなさい“の会」と盛りだくさん。
美味しいご飯を囲んで、いろんなことを語って。楽しい一時でした。

明日は通しけいこ。
松浦家の面々も全員集合です。(もしかして初めて!?)
よぉし。がんばろー。

北谷多嬉 松浦小枝子(長女・高校二年生)
2016/10/23

 集中けいこ2日目です。午前中は、昨日出来なかったシーンを中心にけいこを進めていきました。セリフもだんだんと頭に入ってきて、場面ごとのリズムがつかめてきました。お昼近くになると、けいこ場に広がるカレーのいいかおり。
榊原さんが作ってくださったおいしいカレーをたくさん食べ、午後のけいこに向けてパワーアップ!午後は衣装を着ての通しけいこをしました。けいこ場の中では松浦家の日常風景が繰り広げられていきます。

 今回、私が演じるのは松浦家の長女である松浦小枝子です。高校2年生でバスケ部に所属しています。実年齢を演じられるのでやりやすいですが、小枝子の性格は、私とは全く違うように感じます。通しけいこを進めていく中で、場面のつながりや雰囲気、「ここはこんな気持ちになるのか。」とか「このセリフにはそういう反応をするのか。」など、たくさんの発見があります。
それぞれに課題は残りますが、この通しけいこで、まずは公開けいこに向けてのステップとなりました。

 そして、その後は会場づくりに取り掛かりました。多人数で、4段になる客席を組み立てるのですが結構な力仕事。
夜遅くまでかかってしまいましたが、なんとか終わらせました。舞台セットがあり客席まで組まれると、いよいよだなと気合いが入ります。多くのお客様に観に来ていただくために、良い芝居ができるように頑張ります。

三輪多紀 / シゲ子役
2016/10/16

今日は講師の小鍛冶先生をお迎えしてダンスと歌の基礎レッスンがありました。
たくさんの準劇団員もきてくれて、賑やかな練習風景となりました。

こういう練習は楽しいです!
来年の児童劇に向けてのレッスンがすでに始まっています。

一方「春立ちぬ」の稽古は初めての立ち稽古。
台本を手放して舞台に立つと、台詞はもちろんのこと、視線もうろうろ・・・。
わかっていたとはいえ、我ながら悲惨な結果でした。

やっぱり何はなくとも台詞を覚えないと始まりません。
覚えて、それからその言葉を自分の中に落とし込んで行かないといけないので・・・ひたすら、
呪文のように台詞を唱える毎日です。
(家族はもう、私がぶつぶつ言っていても、気にもとめなくなりました。)

高橋智子 小宮信子役
2016/9/25

「いじめと差別と貧困と」の、勉強会をしました。講師は、池上洋通さん。中高生も
参加していたので、とても丁寧にゆっくり話してくれました。それでも、何せ、難しい……。

つい先日の障害者施設の事件から始まり、サリドマイド事件やハンセン病、差別。事件や問題そのものを問うのではなく、その背景を考える勉強会で、話を聞きながら、沢山の事を考えさせられました。

そして、今回の劇にも関わる自殺について。日本国憲法と照らし合わせ、個人についての権利、子どもが教育を受ける権利も交え、昨今の家族、社会の在り方において、いじめを作ってしまうのは必然であり、日本全体で現在の環境、収入の在り方、家族の在り方、学校の在り方etcを変えていかないとダメであるということに、驚かされました。

そして、最終的に『共同体的自立』という言葉に行きつくのですが、この共同体的自立というのは、自立を一人一人みんなが頑張ることで、自立していくには、語り合う仲間や友達が不可欠であり、一人一人が自分の足で立つということです。

「春立ちぬ」の後半で、朋美が、自分や親の弱い所を見つめ、「甘えちゃいけないんだ」と、決意する場面があり。私はいつも、何で朋美はそう思えるのだろう?と、不思議に思っていたのですが、勉強会をして、まさしく『共同体的自立』だと、納得しました。

今回の勉強会を経て、一つ一つの場面、一人一人の人物の背景を考えつつ、劇をしようと思えた勉強会でした。

百瀬海 / 篠塚麻里役
2016/09/24

あっという間に夏が終わり、秋の声が聞こえるようになりましたが、
私たちは季節が真逆の「春立ちぬ」という作品に挑戦しています。
土曜日からは読み稽古が終わりいよいよ半立ちのけいこが始まりました。
半立ちは床に装置や大道具などの配置の線を引き実際に動いてけいこします。
動きながら、まだ覚え切れていないセリフを台本片手に読んでいくのはとても大変で
す。
私は劇団ひのに約6年ぶりに参加させて頂くのですが、こうして実際に立ってやって
みると舞台で演技をする難しさをとても感じます…やっていた頃を頑張って思い出し
ながら、けいこに挑んでいきたいと思います。

さて、春立ちぬ、という作品ですがこれはいじめをテーマに、ひとつの家族、そして
それに関係する人たちがそれぞれの問題を抱えながら、悩んでぶつかって…という物
語です。
私が演じる麻里という役はいじめの末、自殺まで考えてしまう役なのですが、日々、
作品に取り組み麻里の気持ちを考えるたびにとても暗く辛い気持ちになってしまい、
家に帰っても引きずってしまいます。。
公演まであと約二ヶ月ですが、けいこや本番では精一杯麻里になりきり、日常生活で
は切り替えて明るく!過ごせるように頑張ります♪


公演の日時が決まりましたのでお知らせします。

11月26日(土) 19時30分
11月27日(日) 10時と15時
12月1日(木) 19時30分
12月3日(土) 15時と19時30分
12月4日(日) 10時と15時

是非、ご来場ください!

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