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                    | 鈴木詠翔 / 角兵ェ | 2019/04/14 |  
                    | 4月14日(日) 
 この日は朝から歌とダンスのレッスン。
 高橋弘子先生のユニークなアイディアで振付や動きが決まっていきます。
 
 最初は子供たちのシーンからということで盗人役の大人たちは二階の衣装部屋へ。
 
 そこでまず、まだ5人揃ってやれてないセリフの読み稽古や、ミザンスの確認などを
 行います。
 
 今回の「花のきむらと盗人たち」は<盗人(ぬすひど)>という言葉があるようにドロボ
 ウが主人公のお話。
 
 私の演じる角兵ェちゃんは5人組のドロボウの中で一番若く、越後(現在の新潟県)発
 祥の角兵衛獅子の芸人だったという人。
 
 角兵ェちゃんの役作りで今一番苦戦しているのは「若さ」と「感情移入」
 今まで実年齢と同じかそれ以上の役柄が多かったので、角兵ェちゃんの若さをセリフ
 まわしと動きで表現しなくてはなりません。
 
 角兵衛獅子はもともと10歳から12〜13歳の子供がやる獅子舞芸の1つ。
 つまり、本来なら角兵ェちゃんは12〜13歳くらいの設定年齢。
 
 しかし、12〜13歳となると声の高い子もいれば低い子もいる、色々なところで矛盾が
 広がるので私は思い切って「15〜16歳」に設定。
 
 それでも若さを表現するのはなかなか難しいですね。
 
 私は若さや純粋さを引き出そうとすると声を潰しがち。
 沸騰したお湯の湯気に例えるなら、お鍋から天井に向かって勢いよくたなびく湯気に
 蓋をすることで湯気がモヤモヤとなるのと似ています。
 
 声を潰して出すと客席の奥まで声が届かないので、今度は感情移入に重点を置いてみ
 ます。
 すると、声は大きく出せても、どうもおじさん臭くなるので、そうなるとどこまで年
 齢を意識して、どの辺から感情移入に重きを置けば良いか。
 
 稽古の度に毎回パターンを変えて挑戦しています。
 
 
  
 
 子供たちの振付が終わるといよいよ盗人たちのシーン。
 物語の冒頭にある「盗人心得数え歌」は荒谷さん演じる「かしら」が定めたその名の
 通り盗人としての心得や決まり事、約束ごとを歌にしたもの。
 
 高橋先生のユニークなアイディアが次々と振付へと反映されていきます。
 
 また、この時から盗人5人は草履を履いて練習。
 地下足袋は履いたことはありますが草履は初めて。はき心地が新鮮ですね。
 
 ダンスが終わるとすかさず5場の稽古。
 
 その後ようやく休憩を挟んでから、4場・8場・1場→2場→3場の順に通して稽古。
 
 4場は2場でそれぞれかしらに叱られた4人の弟子が揃って村の様子を伝えるシーン。
 
 何度も途中でリテイクを繰り返して細かい改良点を加えていきます。
 
 4場が終わると8場。
 ここは物語のラストシーン。
 盗人からそれぞれ角兵衛獅子、鍵屋、釜職人、大工の人間へと戻り、人の暖かさを胸
 に朝日を浴びてそれぞれの人生へ歩み出すというところ。
 
 このあたりはお客さんを1番感動させられる(かもしれない?)大事なシーン。
 
 「どうやればお客さんは喜ぶかな?」
 「ここはこう演技したら感動してくれるかな?」
 
 そう言った「お客さんがどんな反応を示してくれるか」を考えながら芝居を作るのも
 ある意味で役者魂が問われると言っても過言ではないでしょう。
 
 それらが終わると今度は1場から3場まで通して稽古。
 
 1場は盗人5人が花のきむらを訪れ、それぞれの持ち前の個性を紹介したのち村に突入
 するシーン。
 
 それが終わると作中もっとも技術を要する角兵ェちゃんとかしらの2人で絡むシー
 ン。
 
 角兵ェちゃんは角兵衛獅子の芸人だったので芸や舞台、そして綺麗な花や笛の音色、
 他の人のお芝居に目がないという天然な一面があります。
 そのド天然さを追求しながら、若さと感情移入をうまく調和させる。
 もっとも技術力が試されるシーンです。
 
 でも、それと同時に個人的には1番好きなところでもあります。
 
 去り際にかしらに「とんまめが!」と叱られる時は気持ちいいですね。笑
 
 本番まであと2ヶ月。
 トンマで天然な角兵ェちゃんになれるかどうか。
 日々挑戦と技術力向上に取り組んでおります。
 
 
 面白くて楽しい。短すぎず長すぎず。
 なんだか最後にホッとする。
 
 そんなホンワカした「花のきむらと盗人たち」は何回見ても楽しいですよ!
 
 皆さんも是非1回だけではなく2回・3回と会場に足を運んでくださいね!
 
 
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