▲
◆Search
◆Admin
劇団ひの けいこ日誌
== 第78回公演 ==
ぶんなよ木からおりてこい
役者ひとりひとりの思いが詰まった、ブンナ公演が今日で終わりました。
舞台に立ち、明かりが入ると、満席に近いお客さんの影がこちらを
見つめているのが微かに目に入った。その瞬間、なにか自分の中に
沸き上がってくるものがありました。伝えたい、なにか感じるもの
があってほしいと、必死に願う自分がいました。
本番前の役者たちの過ごし方はさまざま。本番にわくわくして
テンションがあがりっぱなしの子や、ダンスの振り付けを確認する人、
鏡とにらめっこして丹念にメイクを直す人や、人目のつかない場所
でひたすら集中している人…
みんな舞台で輝けるよう本番を今か今かと待ちます。
実を言うと、私は本番前にとても大切なことを忘れていました。
確かに私たち役者は舞台でお客さんたちにいのちの尊さを伝える
メッセンジャーなんですが、その私たち自身も「辛くても悲しくても」
生きている生きものだということ。このことに気づけた瞬間、
このブンナという芝居がもっとリアルに迫ってきて、蛙を演じる役者としても、
一日一日を必死に生きている自分自身としても、舞台に立てるようにしたいと思いました。
開演直前、緊張して固くなった私に、子どもが「スマイル、スマイル!」と声をかけてくれた。
仲間同士で声を掛け合い、気持ちを高め合う子どもたち。
私はこの子たちと一緒に舞台に立てることを幸せだと思いました。
この半年、役者たち皆が悩み苦しんで探した自分なりの答えを舞台で発信しました。
納得いかない部分があった人や、力を十二分に発揮できなかった人もいると思います。
でも、短いようで長かったこの半年、様々な生き方をもつ人たちが集まって
「いのち」というテーマについて考えを出し合い話し合い、お互いに高め合いながら
ひとつのものを作り上げたことは素晴らしい事だと思うし、必ず意味があると思います。
そしてこの思いが観に来てくださったお客さんたちに伝わったことを切に願います。
打ち上げではおいしい料理を食べながら皆で感想を述べ合います。
人前で全然喋れなかった子が、ちゃんと喋れるようになっているのを見て思わず涙…。
子どもたちひとりひとりの成長に初めて気付かされ、打ち上げの最中、
いつもは食い意地の張っている私が食べ物も喉を通らず、
恥ずかしながらずっと泣きっぱなしでした(姉蛙失格…?)
子どもたちが帰宅する前に全員で劇中最後の曲、
「今日を生きる喜び」を大合唱し(お店の方たちごめんなさい)、大人の部へ。
皆の感想を聞きながら、この芝居は本当に色んな思いが詰まってできたんだな、
と一人で泣きじゃくりながら感動していました。
最後に、ご来場してくださった皆さま本当にありがとうございました。
そして、役者のみなさん、スタッフのみなさん、この公演を支えてくださったみなさん、
本当におつかれさまでした。
これからも、生きて、生きて、輝けますよう!
「来るよ、来るよ、どうしよう」
「覚悟しろ、覚悟するんだ」
きたぁ!!本番がついにこの日がきました。
待ち遠しいような、怖いような。
この日に向けて頑張ってきたのですが、いざその日を迎えると
そりゃもう、心臓が飛び出そうです。
最初で最後のけい古、ゲネプロ(本番同様、お客さんなしで行うこと)
を13時半から開始。
実際に舞台を使って、照明や音響をあわせて、お芝居の完成へ・・・
思ったより暗転がまっくらでなにも見えない。
舞台裏では、ひっそりと照明の暑さに耐えながら、転換(セットなどを動かす)
をする役者たち。
台にひっかっかってけつまずく私(本番やったら・・・ひぁ)
演出からの最後の一言が飛びます。「もう、遣り残したことない。」
でも、まだあと一つ何かが足りない。パズルで言えば、あと1ピース!!
18時客いれ、楽屋からモニターをみながら、足を運んでくださった
観客のみなさんのざわめきを胸に、開演です。
みんなの一つ一つの演技に客席のみなさんの
「笑い」
「涙」
「どよめき」
が重なります。遂に完成しました。最後の1ピースがはまりました。
芝居を完成へと導く最後の一押しは劇団ひのの舞台を楽しんでくださる
観客のみなさんの暖かい拍手でした。
「よわいってことは、わるいことじゃないよね」
しーんと静まり返る劇場に染み渡る自分の声を聞きながら、
やっと「雀の役」が自分にぴたっとはまった瞬間でした。
ご来場くださった皆様本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。
見た目の役作りは順調なしみずです。
違います。正直に言います。
役作りと言い訳しつつ、何の努力もせずに牛蛙の体型になりつつあるしみずです…。
今日の稽古は新町交流センターにて。
こうやって稽古場を求めてさまよい歩く日々ともお別れです。
そう。今日は最後の稽古。泣いても、喚いても、最後なんです。
みんな気合いが入ります。
午前中は抜き稽古。蛙たちの場面を中心に、稽古したい場面をみんなで出し合いました。
ケロケロ。ゲロゲロ。
元気な蛙たちが舞台狭しととび回ります。
午後は高橋先生のダンスレッスン。
フィナーレを中心に振りを確認し、よりステキになるよう直しが入りました。
そして、通し稽古へ突入。
胃が痛くなる時間、ダメ出しと続き―
ここで準劇団員は解散。
劇団員は夜の稽古。
ブンナが出会う様々な生き物たちが、それぞれ活き活きと演じられていきます。
そんな様子に見とれていたら、稽古は終わってしまいました。
あ〜あ。ついに最後の稽古が終わってしまいました。
感傷に浸ってる間もなく荷積みが始まりました。
劇場に運ぶ物をどんどん車に積み込みます。
そして、なぜか雨足が強くなる…。
誰だ!?雨男は?雨女か?
思い返してみれば、昨年の公演の荷積みも大雨だった…。
今回もみんなびしょ濡れになりながら、がんばりました。
でもこれじゃあ、風邪ひいてしまう〜。
ということで、衣装を着て帰ることになりました。
誰の衣装を着たかは…ないしょ。
そんなこんなで、気がついたら、もう本番です。
劇団ひの、役者・スタッフが総力をあげて取り組んでおります。
「ブンナよ木からおりてこい」
ぜひ、足をお運びください。
劇場でお待ちしております。
「本番まで残りの稽古が今日を入れて二回しかないんだぁ〜」
とチャリンコに乗り夏風にふかれながら改めて想いつつ…
稽古へ向かった。
少し遅れて午後からの参加だったのですが、子供も大人も一緒に
なって蛙の歌?をレコーディングしていた、元気いっぱいに!!
「みんな元気やなぁ」と少し冷めた目線で見てしまった。笑
自分は少し物事を冷めた目線で見るクセがあるようで…
前回の公開けいこの反省踏まえ、改善されていてよくなってると思います。
ファイトだ!気合だ!
さてさて、夜は大人だけの時間
子供たちのいる空気とは、また違う空気でのけいこも、またいいのかもしれない。
夜のけいこでも少し手直しされた部分がある特にあの2……
言えない…直接劇場で!!
自分は今、燃えつつある、火種が!
公演では萌える!じゃなくて燃える!
「夏は暑い!清水亮宏も熱い!
なんて思う日にできたらいいなぁ〜」
とチャリンコに乗り夏風にふかれながら今日も、また稽古へ
※写真:けいこ風景(2008年6月15日)_ネズミ(左)と演技指導をする演出(右)
本日は何と、公開リハーサル!というワケで
9時に会場の富士電気体育館に集合、準備を始めます。
お客さんに観ていただくという緊張感と、さらに
本番通りという事で、衣装や化粧など荷物も普段より多く、
少しせわしない雰囲気の中、準備を進めます。
そして、そのせいか、舞台のバミリを間違えるというハプニングも、
おっとっとっと……。(笑)
まぁ、ともあれ無事に準備を終えます。
次はけいこ。
3時からの公開リハーサルに活かそうと、
できる限りの細かい直しをいれていきます。
が、しかし今思うとワタクシ、直された事の半分も
リハーサルでは実行できませんでした…かたじけない。
本番、がんばりまっっっす!
さて、ここでお昼休みをとりまして、Let's Dress up & Make up!
衣裳は合宿でほぼ全員が着ていますが、化粧は今日が初めて。
…ちょっと不安。
そこでイヤな予感は見事的中し、ホッペが赤く染まらないというハプニング、
生ちゃんHelp me!
…お騒がせしました。準備完了です。
それにしても化粧ってスゴいですネ。
役によっては一瞬「だれですか?」って人も。
殺気に満ちた顔や、かわいらしい顔、
さらには、どこぞの先住民から昭和の田舎っぺまで、
勢揃いだケロ。
そして、3時を10分ほど回った所で公開リハーサル開演。
「みなの者、出演じゃ!」
個人的な感想になってしまいますが、普段の通しげいこより緊張もしたし、
頑張ってもいたのに、終わった後、いつもより疲れていなかったのは
至らないところだらけだったのではないかと……
本番まで、あと2回のけいこ。
死ぬ気でがんばります!
あ、もちろん命は大切にネ。
観て下さったみなさん、貴重な意見ありがとうございました。
既に課題になっていた指摘や新しいものも含め、消化して栄養に
できるよう努めてまいります。
因みに自分の中でヒットしたのは、
「何で木の上に土があるの?」という疑問。
僕も正直、気になっていたんだけど、身を守ってもらった手前いうにいわれず……
「おかげで助かりました。ありがとう。」(笑)
(でも一応、長い間につもった、チリや木の葉や椎の木の幹が腐って
土のようになったもの、なんです。だから木からおりて本物の土に
出会った時は抱きつくほど嬉しかった!)
最後に劇団員たちはけいこ場倉庫に集まり、
公開リハーサルを自分の目で確かめて反省会。
これで本日の全工程完了です。おつかれさまでした。
※写真:けいこ風景(2008年5月18日)_ブンナ(中央)
いよいよ6月になり公演の月です!
今日は劇中の歌等のレコーディングを行いました。
私事になりますが、この日は小4の息子の運動会でした。運動会とレコーディングを行き来し、
みんなには迷惑をかけてしまいましたが、「私の声を入れて」と駆け付けた思いが通じたのか、
全ての曲の本番に間に合って、とってもうれしかったです。青空の下、運動会で頑張っていた
子ども達の活気が私の歌声にこもっていると思います。
自分勝手な感想ですいません。
いつも心よく迎え入れてくれる劇団の仲間に感謝しています。
そして、劇団「ひの」の歌は進歩しています。
指導していただいている佐藤先生の要求がレベルアップしていますもの。
レコーディングの後は通し稽古を行いました。
先週よりぐっとよくなり、まとまってきている感触がありました。
稽古を重ねる度によくなっていく事実が、私達の励ましになります。
きっとよい作品になるはずです。 だから、止まらないでよくなっていきましょう。
一人一人の努力とチームワークの力で。
※写真:けいこ風景(2008年6月1日)_老蛙(中央)
5月25日、日曜日。完成してまだ日の浅い新町交流センター。
劇団としても初めての場所です。
中土翔太君の子ミミヅクの抜き稽古が9時からはじまりました。
木の上の一夜。翔太君は父ちゃんミミヅク(河村さん)のあとについて細かな動き。
緊張しながらも演出の佐藤氏の指示に従って右に左に一生懸命。
コミカルなミミヅクの親子とユニークなお月さま(田中さん)のこの場面は、
劇をとおして唯一、ほっとするのどかなシーンです。
鳶に捕まったネズミ(清水亮宏さん)に逃げるのはいまがチャンス
だよ、
と教えますが無事に木から下りることができるでしょうか。
午後の前半は歌のレッスン。
歌唱力は完成に近づいてきましたが、振りが入るとそちらに気を取られて
歌への集中力が弱くなるようです。
佐藤一昭先生から「観客のみなさんに希望や感動が伝わるように」
と歌への姿勢が求められます。
こんななかの休憩時間での一齣をご紹介します。
第一場・蛙たちが集まる沼のほとりに一羽の蝶が歌いながら現われます。
その蝶を演じる竹内みなみさんが佐藤先生の指導を受けていました。
それは孫にやさしく教えている好好爺と、小柄な体で精一杯それを受け止めている
健気な姿でした。
後半は通し稽古ですが時間の都合で一部割愛。
当然のことながら蛙たちのシーンが多く、準劇団員が元気よく動きまわり賑やかです。
が、時には集中力が途切れ演出の佐藤氏から注意の声が飛びます。
本番をおおよそ一ヶ月後にひかえて細かな調整が始まりました。
台詞のニュアンス、役者の動線、小道具の効果……
この日のまとめ。佐藤、演出助手の朝比奈、先輩女優の佐藤良子の各氏から
課題が提出されました。
喜び、悲しみ、おののき、恐れ、いたみ、疑念、驚き、希望…
与えられた役における心の揺れを表現すること。その表現も胸の内に組み込まず、
観てくださるみなさんに伝わらなくては劇が成り立たないことを自覚するように。
舞台に立ったら役に集中すること…など努力不足を指摘されました。
ああ、きょうも帰りの足どりが重たいなあ…
※写真:顔写真(2008年5月25日)_桜井
※写真:けいこ風景(2008年5月25日)_和尚(中央)
5月の爽やかな天気の中、多摩平交流センターでけいこをしました。
午前中は、公開けいこ前のダンス最後の練習。「笑顔で踊る!」が最大の課題。
振りにばっかり頭がいってると、表情やダンス自体がこわばってしまうんですね〜。
ダンスをして汗もかいてきて、部屋の窓を開け涼しい風を入れました。
そして午後は場面・場面で止めながらけいこ。
今日は、音響の西島さんも来て音合わせもしながらやりました。
一番音が多く入るシーンは、やっぱり小さな生き物たちがトビにさらわれるところ。
生き物たちが必死で逃げ惑うシーンを何度もけいこしました。
すると・・・「ウウーーーーッ!」外でパトカーのサイレンが!
マイクで何やら放送してます。「駐車違反の取り締まりかな?」と思っていると・・・
おまわりさんが1人、私たちのけいこ部屋に入ってきました。
「ちょっとよろしいですか・・・」。
な、な、なんと、「助けて〜!!」の叫び声が聞こえたので、
近隣から通報が入ったとのこと。
外のほうを見ると窓が開いている・・・
トビに襲われるシーンだけに「助けてー!」「助けてくれー!」の台詞の連呼。
なるほど通報が入るわけでして・・・
近隣の方々、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
が、みなさま、通報されるほどの「迫真の演技」、本番が楽しみですよ〜!
※写真:けいこ風景(2008年5月18日)_百舌
この日私は午後からの参加でした。
午後はまず抜き稽古で蛙たちの場面を稽古しました。
その後、通し稽古をしました。
物覚えの悪い私は、自分の出番が終わると台本にかけより次の出番を確認する…といった状態。
早く覚えなくては……。
通し稽古では、抜き稽古でのシーンとシーンが繋がっていき、
物語を改めて感じることが出来ました。
自分が表現したいこと、するべきことを考え、次に生かさなくては、と感じました。
※写真:けいこ風景(2008年5月11日)_蛙1(中央奥)
午前中は、ダンスの自主レッスン。
姉蛙役の結生ちゃんが、それを進めていた。
私といえば、寝起き10分後の、それはそれは見られるという事を
完全に放棄したいでたちで、それを眺め、歌い踊る、蛙役の準劇団員達
の愛らしさに、メロメロになり、老蛙役の伸枝さん
の真剣なダンスへの取り組みに心打たれたりしていた。
そんなもんで、ヌボーッと立ちつくす私に・・・
「いくちゃん、ここの立ち位置って、私あってたっけ?」
の問いが飛んできたから大変だ。
寝起き10分後、やっとこさ到着した私には、すぐに指示が出来る資料と頭脳が無い。
「へ?」
「いや、立ち位置の確認をしたいんですけど」
「ああ、立ち位置・・・え〜っとね、わかりません」
もはや演助失格。
分からない事を分からないとはっきり言う所は、以前から自分の
長所であると考えていたが、既に舞台を生き進んでいる、この蛙達に、
そんな長所は迷惑なだけである。
焦った私は、失格のままもアレなので、過去の記録を、ぐしゃぐしゃの
バッグからやっとこさ掘り出し、定位置を説明しようとしたのだが時既に遅し。
「あ、もういいです。解決しました」との声が高らかに鳴り響いた。
(稽古の場所は富士電機体育館。広いのだ・・恥ずかしいのだ)
レッスンのナンバーは、舞台のエピローグにあたる「今日を生きるよろこび」だった。
新天地を求め、旅立ったブンナが、ここで体験した出来事を語り、
新たな気持ちで「生命」を歌うこの曲。
昨日の悲しみを乗り越えて〜(なんていい台詞なのだろう・・)
ブンナと蛙達が、これまでとは違う、同じではない気持ちで、
明日を向かえる感動のナンバーを、午前中、蛙役の俳優陣が、
命いっぱいにレッスンしていた。
・・・私は見ていた。
・・・だから今書いている。書けている。よしっ。
午後は稽古に入り、合宿後に出た課題をクリアするべく、主に蛙達
の場面稽古を行う。
大まかな動きも決まり、段々とそれぞれのキャラクターが生きてきた
のではないだろうか。
演出からは
「今一度物語を心に落とし、具体的に何に感銘したかを掘り下げなさい」
といった、内面を創造する課題が出されたが、これは、蛙達の存在意義
に大きく関わる重要な課題であると感じた。
夜は、木の上の者達、蛇・ネズミ・鳶の場面稽古だった。
「ここは虚勢を張って、彼の顔は見ないで喋って」や、
「面白くなっているから、なるべく表情の見える演技をして」など、
役の細かい心情に伴った動きの指示が次々と出されて行った。
蛇役の頭、腹、尾の三人衆は、この間も傍らで演技の打ち合わせを行っており、
私はどっちも気になっては、舞台を観たり、そちらを見たり
きょろきょろと落ち着かなかった。
ボーッとしたり、きょろきょろしたり、一貫性の無い忙しい女だなぁ・・
と我ながら思う。
稽古も数えて16回目だ。
随所に、生きる事の大変さとその素晴らしさが垣間見えるこの芝居に、
そんな私も釘付けになってきた。
毎度の稽古で、笑い、泣き、心を動かされるのだから、それはそれで大変だが、
いつもこの事に深く関わっていたいと思えるから、何も諦めずにいられる。
大袈裟に言えば、明日が楽しみになる様な感覚を稽古では味わわせてもらっているのだ。
それは、舞台同様、文字通り俳優達が、今日を生きているからだと思えてならない。
以上、6月の本番を待ちわびて。
※写真:けいこ風景(2008年4月27日)_演出助手の朝比奈生美(右)とチョウ役の竹内みなみ(左)
激しい喉の渇きで目が覚め、合宿2日目が始まりました。
心地よい疲労感は昨日のけいこの充実振りを再確認させてくれます。
窓から差し込む暖かな日の光は今日のけいこの成功を予感させます。
午前中は歌のレッスン。
とはいっても実際はダンスを踊りながら歌うこともあり、
ところどころダンスを織り交ぜながらのレッスンとなります。
「昨日あれほど猛特訓したはずのダンスが身についてないー」
と焦りながら踊っていると、自信に満ちた一人の準劇団員から
「俺が教えてやるよっ!!」
と声がかかります。
空き時間を利用して個人レッスンの開始です。
大人が子供に教わるという光景は、普段の生活ではなかなか
見られないものだと思いますが、劇団では年の差など関係ありません。
より高い技術をマスターしたものが、その技術を周りに伝え高め合っていくのです。
一通り教わった後、その準劇団員に
「サンキュー。それにしてもお前はすごいな!!」
等とお礼&思いつく限りの賞賛をした後、教わった成果を
他の劇団員達に見てもらったところ、フリが違っているとの指摘が・・・
どうやら、その準劇団員は間違って覚えたフリを自分に教えてくれていたようです。
「お前を信じた俺が馬鹿だった!!○▼※△☆▲※◎★●!!」
とツッコミを入れながらも、そんな時間が楽しかったりします。
午後、施設の近くに沼があるという劇団員からの情報を聞きつけ、
「蛙がいれば、今回の舞台の参考になるかもしれない。」
ということで昼食後、全員で向かいました。
まだ時期が早かったらしく、お玉じゃくしが数匹いたくらいで残念がるのもつかの間、
準劇団員達の興味は、近くにあるアスレチック施設に注がれます。
彼らは興味のあるものに対して力の出し惜しみをしません。集合の合図があるまで遊び続けます。
「そんなに遊んでると午後のけいこに響くぞー。」
と思いながらも、無条件にはしゃげてしまう姿には羨ましさを感じずにはいられません。
何時からか、はしゃぐことにリミットをつけてしまった自分を間違っていないと思いつつ、
そんな自分に物足りなさを感じてしまっている自分がそこにいること、
そして目の前の彼らは、戻ることのない過去の自分であることに気づきます。
その後、全ての場面を通して行う”通しけいこ”等を行い、
2日間に渡る合宿に無事ピリオドを打ちました。
この2日間で、ようやく全ての場面において基本的な動きがほぼ完成しました。
演じる上での約束事が一通り出揃ったこれからを役者達がいかに楽しみながら
作っていけるかが、より生きた舞台を作っていくことに繋がっていくと思います。
※写真:けいこ風景(2008年4月20日)_沼蛙1
”彼の真剣な眼差しに写るのは舞台の成功なのだろうか?”
※写真:けいこ風景(2008年4月20日)_鳶(裏側より)
今回自分にとって二回目になる合宿が無事終了した。
前回と違い今回は体育館2つと多目的室1つという3つの部屋を使ったすすめ方だった。
ワクワクビレッジ!
最初にカエルの場面の稽古。
いつにもまして皆真剣そのもの。
午後からはダンス。
みんな悪戦苦闘しながら徐々にレベルUP!
なんと四時間ダンスダンス!
さうがにみんなヘトヘトのところに夕食の時間がやってきた!体力回復。
最後に通し稽古。
この通しでの問題点がわかり明日へつなげる事ができた。
そして夜は交流会にて劇団員によるブンナへの意気込みを語り明かした。
※写真:けいこ風景(2008年4月19日)(蛙2(左)と沼蛙3(右))
どうも、雀2のピエールこうじです。5年ぶりのブンナ再演。
前回の、命に対する熱い思いがまたよみがえるとわくわくしながら、
日々稽古にいたってます。
気がついてみれば、自分古株にも足を踏み入れつつあり、
前回のブンナに関わった数少ないメンバーの一人となっていました。
ブンナは、個人的にも思い出があり、自分に役者としての楽しみ方、
面白さを教えてくれた作品でもありました。
また、今は当時感じていた楽しさと今感じる楽しみ方の違いを、
自分自身で気づいて年取ったなあ、なんて感じてます。
今回は、前回同様、雀役をいただき(こんなにでかいのに)
前回よりいいものを!!
って思っていたのですが、初めのころはぜんぜん前回の演技の
イメージが強すぎて、変化をつけることができませんでした。
やっとこさっとこ、最近になって変化をつけて前回とは違うより
楽しいものになっていっていると確信している毎日です。
今日は、3時まで準劇団員の稽古があり、そこに自分のシーンも
混ざっていたので、これはチャンスといわんばかりに稽古をさせて
もらいました。
いやぁ〜、演技って難しいですね。
稽古は役者にとっての本番。毎日考えてきた、自分の発想を発表する場面。
にもかかわらず、まったくイメージ道理いかない。動きを考えると
台詞がぐずぐずに・・・。まだまだ精進が足りないことが、身にしみました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チュン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、実はもうひとつ役をいただいていて、それはなんとも神秘的で、
魅惑的で5年間自分があこがれていた、素敵な役です。
あら、わかった人もいてぇ?
でも、何かはひ・み・つ・・・。
さてさて、今回「命」がテーマのブンナ。
このテーマが、まだまだメッセージとしてあげられる問題なのは
とても悲しいことなのだと思う。
快楽や癇癪でおきる殺人。近親での殺人も増え、自殺が後を絶たない事実。
命よりお金を取った、イラクへの自衛隊派遣をした政治。
皆様は、この命をどうお考えでしょうか?
まだまだ、海外ではマンホールチルドレンや、孤児院で若くして命を亡くす子や、
20歳まで生きることを夢としている幼い子供もいる中、何ができるだろうと考えます。
正直、自分は大それた活動をするほど、行動力がありません。
しかし、こういった現状や、命の尊さを伝え広めていくことで、
どこかのゆとりや行動力のある人や団体の耳に入り、何かしらの
救いになればと願っています。
また、ブンナを見た方の中にも、行動を起こす人がいなくても、
命に興味を抱いて大切さや、現実を調べたり話を伝えひろめていく方が、
一人でもいてくれれば幸いです。
娯楽と、教養の調和した「ブンナよ木からおりてこい」、
ぜひぜひ、ご覧ください。
※写真:けいこ風景(2008年4月13日)_?(後方)
本日の稽古。
珍しく開始30分前に到着した、若干やる気が空回り気味の袖山です!
午前は高橋先生によるダンスの稽古。
春の暖かい気候のせいか役者たちのみなぎる熱気のせいか、
子どもも大人も汗だくになりながら、息も切れ切れハードなレッスンをこなす。
が、何度も同じ事を注意されてしまう…
必死に頭のなかを整理しながら、なんとかついていく…
合宿まであと2週間。がんばらねば…!
午後からは立ち稽古に入る。以前劇団「ひの」でワークショップを
してくださった某劇団の方が見学に来られ、良い意味で緊張が走る
なか役者たちの演技にも熱がこもる。
まずは蛙たちの場面。
総勢十数匹もの蛙たちが動き回るカオス状態だったものが、
シーンごとにそれぞれ何を伝えたいかという目的をもつことで
だんだんまとまってくる。
夜は椎の木の上に登場する動物たちの稽古。
つい見入ってしまって自分の出番に直前に気付くこと数回…
す、すみません…
気づけば稽古も残すところあと僅か…!!
2週間後には合宿も待っています。
未完成の部分はまだまだありますが、今はただ前進あるのみ。
皆さんに素敵な舞台を見ていただくことを目標に準劇団員&劇団員
一同切磋琢磨しております。
お楽しみに!
※写真:けいこ風景(2008年4月6日)_鳶1(中央後方)
※写真:けいこ風景(2008年4月6日)_鳶2
『ジプシーのようにさまよいながら転々と・・・
今日も「劇団ひの」がゆく』(続)
お待たせいたしました。本日のけいこ日誌を担当しまチュン!
雀ですぅ。
前回オリバーの婦長役とはがらりと変わって、かわいらしい雀役に
奮闘中!
桜満開です。こんな日はお花見日和ですね。でも、桜の花を横目に
午前中はダンスのレッスン。
いよいよラストの曲に合わせてステップ&ステップ&ターン&ターン&ターン&ターン
まわるぅまわるぅ・・・スイングスイング。
高橋先生はなんてかろやかでチュン!
しかし・・・ふと見れば、あっちでもつれ、こっちでもつれ。
苦笑いの嵐です。
でもね、みんながんばってますよぉ。おたまじゃくしの一生懸命な姿といったら
もう、かわいい!!!!!!!!!のなんのって。
そして、昼には、現けいこ場に戻り、神妙に『地鎮祭』です。
いよいよ、新しいけいこ場が建ちます。その前に地を清める儀式です。
どうか、無事に新けいこ場が建ちますように。
午後からは、1幕1場〜の通しけいこ。
私のお相手役は身長差30cmはありましょうか。
見上げるほどにいい男もとい、いい雀です。
そして、二人のそれはそれはラブリーな・・・
おっとこれ以上は劇場でのお楽しみですね。
ところで、劇団員や準劇団員の真剣にけいこに取り組んでいる風景を
みなさんにもお伝えできたらとただいまカメラを片手にけいこに
参加しています。
パシャ!
ブンナ・老蛙・土蛙・沼蛙たちの生き生きとした顔
ねずみのおびえた姿、蛇のぎらぎらな目、牛蛙の悲痛な顔・・・
みんなみんながんばってます。
ぜひ劇場でお待ちしていまチュン。
※写真:けいこ風景(2008年3月30日)_雀(左)と鳶(右)
暖かくなってきました。春ですね。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私の職場では、冬眠から覚めた蛙たちが敷地内の通路にわんさか…。
踏みそうになった人の悲鳴があちこちから聞こえてきます。
…春ですね。
さて、今日の稽古では、そんな蛙たちが熱く語り合う
『第1回かえる会議』が開催されました。
今回のお芝居「ブンナ」には、いろんな種類の蛙たちが出てきます。
土蛙と沼蛙は仲が良いのか。このせりふはどんな気持ちで言おうか。どう動こうか。
長い時間にわたり、活発な議論が繰り広げられた模様です。
こういう議論の積み重ねがよりよい舞台を創り上げていくのですね。
極秘で開催されたこの会議。議論内容など詳細なご報告はできませんが、
きっと舞台上で活かされることと思います。ご期待ください。
さてさて。そんな私も一応蛙の端くれ。議論に参加せねばと意気込んでみたものの、
今回は微妙に種類が違うということで…残念でした。
悔しいので、近々に“熱い親子関係を築くには…”というテーマで
ブンナと親子会議を開催したいと思います。
その間、他の動物たちはというと―
雀さんたちのラブラブッぷりを見せつけられ、稽古場の温度は急上昇!ほっほーい!!
三つ巴でパニック気味の牛蛙に冷や汗ダラダラで、温度は急降下!ひえー!!
…春は気温の変化が激しい季節。稽古場の温度の変化も激しいようです。
みなさん風邪など召しませぬよう、ご注意ください。
※写真:けいこ風景(2008年3月23日)_牛蛙
天気は雨…
風強し、気温寒し
そんな最悪なコンディションの中、みんなで電車を乗換え上野動物園へ行きました。
今回の目的は蛙の生態を調べるのが目的です。
到着後、片手に傘、もう片方は事前に配れていた問題プリントを持って
(ブンナに出てる動物や上野動物園にいる生き物に関する問題)
問題を解きつつ園内を周りながら昼食ポイントの不忍池へ向かいました。
池の近くのテラスでみんなでワイワイご飯を食べました!
寒かったです……
楽しかったです。
午後は爬虫類館や小動物館で自分の役の生き物ついて調べましたが、
それ以外にも色んな生き物が見れて面白くてテンション上がりました。
その後は、様々な鳥を見学、研究して出口付近のお土産屋で買い物して、
片手にはお土産、もう片方には思い出をもって解散となりました。
今回、みんなで動物園へ行き、様々な生き物を見学できて、役の創造に役立ったと思います。
何より大変だったけど楽しかったです
※写真:集合写真(2008年3月20日)
今日の稽古は富士電気の体育館で行なわれました。
午前中は高橋先生のダンスレッスンです。
『自由に空を飛びたい』と『夏の日ざしはときめき』の振り付けも最終番です。
最後の決めポーズで背負うことになっている子蛙役のK君をうまくキャッチ出来ず、
「ごめんね。」
と謝ると
「本番じゃなくてよかったね。大丈夫、大丈夫。」
と一生懸命に慰めてくれました。
なんとけなげで賢いのでしょう。
劇団「ひの」の子ども達はみんなほんとうにステキで、稽古の度に元気をもらっています。
私、前回の公演では母蛙をやらせていただきましたが、今度は老蛙です。
短い間に随分老けてしまいましたが、確かにこの間の年月の重さや
劇団で過ごした日々の貴重さも感じたりして、二度目のブンナを楽しんでいます。
午後は出来上がっている衣装を着て通し稽古をしました。
装置や道具も少し入り、だんだん舞台らしくなってきました。
今度のブンナは前回より数段いいものになると確信しています。
どうかご期待下さい。
※写真:けいこ風景(2008年3月16日)_老蛙(中央)
3月9日(日曜日)立ち稽古第2回目です。
前回に引き続き、皆さん真剣そのもの!
(他人事のように言っている場合ではありませんが、)
実際に動いてみることで(まだまだタドタドしくはありますが、)
新たに見えてくるモノがあったのでしょうか、
演出の佐藤さんから舞台装置に関する新しいアイディアが
いくつか出ております。 はわわわ〜!!たいへん!
さて、午前中の稽古が終わると(休憩をはさんで)
午後は歌の稽古です。
舞台の雰囲気を創り上げる重要な要素のひとつですよね!!
やはり真剣そのもの!
そして、なな なんと。
今週は、歌唱指導に佐藤 一昭先生
そしてフィナーレの曲を書き下ろしてくださった高野 真吾さん
この両氏が来てくださいました!
前回の曲とのKey(調)のズレなど、
いくつかの直しや、ちょっとした混乱もありましたが、
とても有意義な時間でした。
なにより、
ほとんどの団員はこの日はじめてフィナーレの曲を聴いたのです!
いや〜、うれしいです。
よく分からん言い方ですが、とにかく嬉しいの一言に尽きます。
ありがとうございました。
あ、さって、さって、さて と、
稽古は夜へと突入いたします。
なんだかこの日は、おカゼを召しておられる方が多いようで、
あ、いや、しかし容赦なく突入いたしますぞ、
ネズミと蛇と牛蛙の三つ巴、生死を賭けた修羅場へと。
三匹とも(あ、もちろん他の方も、)本当にお疲れ様でした。
長々とまとまりの無い乱文で申し訳ありませんが、
ご拝読いただければ、これ幸いです。
※写真:けいこ風景(2008年3月9日)_ブンナ(左奥)とネズミ(右奥)
3月2日、中央公民館講座室。
立ち稽古の初日です。その前にダンスと歌のレッスン。歌と踊りの
場面では準劇団員の少年少女たちの伸びやかな肢体が笑顔とともに、
ところ狭しと跳躍します。蛙を演じる子供たちの澄んだ眼の輝きは、
弱肉強食が原則の残酷な自然界にあたたかな光を灯します。
ツグミを演じる野村綾子さんの居残り特訓では、演出家のダメ出しに
応える真摯な姿勢がツグミそのもののようで胸を打ちます。
さて立ち稽古を観てみましょう。
木の上の鳶の餌置場に放り投げられてしまう百舌が3場に登場。
蛙に恐れられている強い百舌でさえ鳶にはかないません。
死を間近にして殊勝気を出す百舌を河村卓哉さんが熱演。
雀(下平由美さん)を相手に丁々発止と渡り合います。
5場、雀とネズミ(清水亮宏さん)の葛藤。すごいですよ。
6場では初演に引き続いて朝比奈生美さんが怖い蛇で実力を十二分に発揮します。
9場、鳶に捕まった牛蛙(清水恵さん)、この蛙は中国生まれの関西弁を
喋る奇妙なおもろいカエルでっせ。
10場、ネズミとツグミに出会ったブンナ(佐橋瓢さん)は成長していきます……
あまり詳しくお知らせすると楽しみがなくなりますから、ここらへんで。
「生きることへの讃歌にとどまらず、死にも眼を向けたい」
と語る演出家・さとうとしかつ氏は初演にはなかったツグミを登場させました。
“死を視ること帰するが如し”とするツグミと、雀の業を対峙。
これこそが演出家の眼目だったのかも知れません。
台詞も未だたどたどしい稽古のなかで、幾度となく立ち止まるさとう氏は
水上文学をいかに具現化し舞台空間に描こうかと推敲しています。
本公演までにはまだまだ新しい展開が続くようです。
いずれにしても今回の再演は演出家・さとうとしかつ氏の佳編の
一つになることは間違いないようです。
※写真:けいこ風景(2008年3月2日)
|