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けいこ日誌
== 第76回公演 ==
ら抜きの殺意

  日下勉役・広岡直樹 (その2)
Date: 2006-12-17 (Sun)
ついに8回の公演が全て終了しました。
おかげさまで最終日は立ち見も出るほどの大盛況でした。
観に来ていただいた方々、どうもありがとうございました。

演劇には「舞台の半分はお客さんが作る」という言葉があるそう
です。
自分は始めこの言葉を聞いたとき否定的でした。というか、
あまり実感が伴っていなかったので、意味がよく分からなかった
といったところが本音でした。
「稽古の中で試行錯誤をして、本番というのは完成されたものを
 お客さんに見せるということなんじゃないか?」
と思っていました。

公演を終えた今でも、この考えは大枠では間違っていないと
思いますが、今回、新たな実感が加わることによって
「舞台の半分はお客さんが作る」の意味を多少自分なりに
理解したような気がしました。
それは、稽古として演じることと、本番として大勢のお客さんの
前で演じることとの間には、それぞれがある意味別物じゃないか
と言っていいくらいの差があるということでした。

それは、もちろん緊張の度合いが違うといったこともありますが、
やはり一番の違いはお客さんの反応の有無ということになると
思います。

役者達はお客さん達の反応に敏感です。

「今日はものすごくお客さんに受けてたな。」
「前半は反応が無くてどうしようかと思ったけど後半は笑ってくれてたよねぇ。」
「何であの場面受けてたんだろうね?」

公演が終わった後、役者同士の間ではいつもこんな会話が交わされ
ています。
もちろん笑う意外にも色々な反応がありますが、笑い声に敏感に
なってしまうのは、演じている側からすると笑い声が一番反応と
してダイレクトに伝わってくるからだと思います。
(ちなみに、数回観に来ていただいた方には分かるかも知れません
 が、同じ舞台を演じているつもりでも、その時々でお客さんの
 笑うポイントが結構違うんです。もう公演毎にバラバラといって
 もいいくらいに。)

頂いたアンケートにも全員が目を通しています。
別に強制されているわけではありませんが、みんな笑い声に
埋もれた部分を含めお客さんがどう感じたかが気になるんですね。
休憩時間・食事中・打ち上げの席等、返ってきたアンケート用紙を
みんなでまわし合いながら読んでいます。

・好意的な意見が多いことにホッとしている人。
・するどい指摘に唸っている人。

等々、役者達の反応も様々です。

もちろん「お客さんを満足させることが出来た。」という演出の
OKが出て本番に望むのですが、
こういった演じる側と観る側とのやりとりを重ねていくことが、
役者にとってさらに自分の演技を見つめ直すことに繋がっていく
ことになるのだと思います。

公演の中盤頃、動きや台詞の言い方を少し変えてみようとしている
自分がいることに気づいた時、「舞台の半分はお客さんが作る」の
意味が実感を伴って分かったような気がしました。

繰り返しになりますが、観に来ていただいた方々どうもありがとう
ございました。

公演の感想は劇団のホームページからでも受け付けて
おりますので、アンケートに書き忘れたことがあればいつでも
お送り下さい(笑

  遠部その子役・朝比奈生美 (その2)
Date: 2006-12-10 (Sun)
折り返し地点です。
9日、10日で、計5ステージが終了しました。残るは今週土日に3ステです。

う〜ん・・・公演期間って時間が過ぎるの本当に早い。
地球にも感情があるんじゃないかって位、怒涛の如く時が回ってる気がします。
5回が5回、お客様の反応が全く違いましてね、笑いや静寂と、
ここまで反応の違う舞台ってなんだか初体験で考えさせられました。
頂くアンケートの方も数を踏む毎に主題に触れられた物が増えてきており、
この作品に取り組んだ歓びが強くなっています。
ありがとうございます。

本番の事を纏めるとなると、熱っぽくなったり、長くなったりと、
我ながら煩くなりそうな予感が大なので、煩いのは舞台上だけに
して、今回はちょちょいと撮っていた写真を載せますね。

舞台裏の臨場感をどうぞご堪能下さい。

舞監広P
★本番直前迄、裏を気にかける、舞監、広岡氏・・・の後姿。かっこいいですね(笑)
あ、彼が着ているレトロなジャンバーは、衣裳です。彼のセンスではありません。
という事だけは記しておいてあげたい。

堀田夫妻
★メイク終了後、舞台裏でのメッシャー妻夫(※台詞引用)
素敵な笑顔だ。メイクといえば、朝比奈は、終演後、中上げの
酒の事で頭がいっぱいになり、メイク落としもそこそこに深酒をした為、
朝起きたら、顔がまだ遠部でした。
いや、二日酔いの遠部でした。

雨宮
★終演後にボ〜っと一服中の浩二君。駆け抜けた感じが伝わります。
私も彼と一服してたのですが、会話の内容は覚えておりません。
多分彼も覚えていないでしょう。
舞台で喋り捲るが故、恐らく喋るのに疲れているのだと思います。
つまりは、会話は無くとも意思の疎通が出来てしまう迄に役者同士
の関係性も発展している訳で・・・。
このメンバーで芝居するのもあと三回な訳で・・・。

利勝
★昼公演終了後の演出。駄目とか飴とかムチとかを考えてるかもしれません。

調光室
★舞台後ろの調光室。
ここに上演中、照明の良子さんと音響の西島さんが入る。
芝居が作られているのは舞台上だけでは無い。
進行の下平さんも大活躍です。

長い稽古期間を、皆で暖めた「ら抜きの殺意」
最後迄大事に皆様に届けたいと思います。

  伴篤男役・萬田哲之
Date: 2006-12-02 (Sat)
今回はいつもとちょっと違って稽古日誌ではなく、公演初日に向け
てのを話したいと思います。

今回、私は他の劇団員のみなさんより一月遅れの9月から稽古に
参加しました。
約3ヶ月間の稽古の末、11月26日(日)にゲネプロ(観客がいない
状態で本番同様に上演すること)を終え、集大成を2日の公演初日
に披露しました。

ここ数年、ホールでの公演ばかりでしたので、だいたいゲネプロの
次の日が本番でした。
しかし、今回はゲネプロから本番まで一週間の間がありました。
この一週間のブランクをどうやって維持していくか…これがまず
初日に向けての私の課題でした。

一番注力したのはあまり体に馴染んでいない動き、セリフの部分を
しっかりと体に覚えさせることでした。
演劇は相手との言葉のやりとりの中でリズムが生まれ、その流れが
悪いと、とても間延びした作品になってしまうことがあります。
そのため、セリフが瞬時に頭に浮かんでくるくらいに体に馴染ませ
ておかないと、セリフに気持も乗らないし、また不必要な間が生じ
ます。
まず、この点をおさえました。
次に本番当日は自分のセリフを全てさらって公演に望みました。

準備は自分なりに満足な状況で望みましたが、やはり本番は
これまでと違った空気が流れます。
お客様から発せられる視線と気…こればかりは練習ではなかなか
体験できないため、本番勝負です。
しかも、久々の稽古場公演では、観客が目の前…舞台に出た瞬間、
少し緊張している自分がいました。
しかし、この観客が見入る(吸収する)、そして役者が演じる(発する)
といった呼吸があってこそ、更に劇を昇華させる大きな要因であると
再認識した初日でもありました。
そう言えば、この感覚は以前小学校体育館でブンナの公演を行った
ときに感じたことでもありました。

いかん、いかん大事な事を忘れては…と、反省しつつ、また初日の
公演を見てくださったお客様の笑顔を糧にまた次週へ突き進む萬田
でした。

  日下勉役・広岡直樹
Date: 2006-11-26 (Sun)
本番まであと1週間。
ここまで来たらジタバタしても始まらないという居直ったような
気持ちと、そうは言っても残り一週間出来る限り役作りを高めよ
うというジタバタとした気持ちが入り交じった不思議な状態だ。

自分はこの「ら抜きの殺意」で、初めて一から役作りを行うと
いった機会を与えてもらった。
思えば、配役がなされたのが8月下旬。それから3ヶ月とちょっと
の間、ずっと自分が演じる日下という人物を理解する為、この人物
と向き合うという作業を続けてきた。
舞台を見ていただければ分かるが、日下という人物はその言動を
見る限り変な奴だ。少なくとも自分は初めて脚本を読んだとき
そういう印象を持ったと思う。
で、それからその変な奴のことをずっと考え続けることになった
わけだ。

これまでの自分の人生の中で、好きな人のことでもない限り、
ひとりの人のことを数ヶ月間ずっと考え続けるなんてことはまず
無かった。
それが今は変な奴のことを考えてて、しかもそいつを自分が
演じようとしている。
役作りとしてはごく当たり前のことをやっているだけなのかも
しれないが、何かとても非日常的なことをやっているように時々
感じていた。

けいこが終わった後、劇団員達と飲んでいると、朝比奈さんから
「この役好きになったでしょ?」
と何かの話をしている拍子にさらっと聞かれた。

そのときは笑って誤魔化した様な気がするが、改めて考えてみると
嫌いな奴ではない。
今も変な奴だという印象は変わらないが、3ヶ月前の印象が近寄り
がたい変な奴だっとすれば、今自分にとっての日下は愛すべき
変な奴である。
「そりゃ〜もう大好きっすよ!!」と言うのには多少抵抗が
あるが、もし日下が悩んでいたら相談には乗ってやろうかという
気はある。

たかだか一回役作りを経験しただけで、分かったようなことを
いうのはおこがましいことだと思うが、
役にしても人にしても、その人物を理解するということは好きに
なるといったことなのかなぁと最近思っている。

でも日下とお金の貸し借りは出来ないかもしれない。
だってお金にはガメツそうなんだもん(笑

  宇藤樹里役・田中麻佐恵
Date: 2006-11-23 (Thu)
みなさん、こんにちわ。
カエル大好き@田中麻佐恵です。

この日は、写真撮影ありのリハーサルの日でした。

午前中は、抜き稽古、休憩をはさんで、メイク、メイクチェックを
して、リハーサル。
このお芝居、初のメイクあり稽古でもありました。
メイクをすると、やはり本番が近づいてきたんだな、と思います。
そうやって段々、本番モードに気持ちが移行してくんだな〜。

しかし、この前日も稽古があり、段々疲れがたまってきているのか、
リハーサル中にわたくし「宇藤」は、セリフが飛んでしまって、
なにやらヘンなニュアンスの言葉で取り繕うなんてことをしてしまった。
不覚・・・・orz。

台本通りのセリフを言う!という課題がこなせなかったばかりか、
作り込んでた動作もイマイチで、ちっとも「らしく」なかった。
反省、反省。気持ちを切り替えて、明後日に迫ってるゲネプロを
目指さなければ。

ところで、先日舞監に、「リハーサル」と「ゲネプロ」はなにが
違うのか?と聞かれて、はっきり答えられなかったんで、調べて
みました。

【リハーサル】
儀式や催し物を行う前にあらかじめ本番どおりに練習してみること。

【ゲネプロ】
ドイツ語のGeneralprobe(ゲネラールプローベ)を略した言葉で、
「総舞台稽古」などと表わされることもある。日本だけで使われて
いる造語。
本番と全く同じ条件で舞台上で行う。全ての稽古の総仕上げであ
る。観客の入場と開演5分前の合図(1ベル)から、再現することも
あれば、それを略すこともある。基本的に本番と同じなので、間違
いがあっても、途中で止めるようなことは殆どない。


だそうです。つまり、リハは練習で、ゲネはほぼ本番ってことでした。
つーか、ゲネプロって日本だけの造語だったとは!(*゜Д゜)
今更ながらに驚きです。

  雨宮尚人役・田中浩二
Date: 2006-11-19 (Sun)
さぁ、いよいよ本番まで2週間をきりました。
日曜の稽古は今日が最後で後は、ゲネプロ(客なしの本番)のみ。

そんな状況なので、今日は最初から通して、細かいところを直しな
がら最後までをやる稽古をしました。
もう、作り直すと言うよりかは、今まで出た課題をクリヤーさせる
のがメインに感じました。

本番近くだけあって、休み時間もいつもと違う、皆からの熱を感じ
てました。

そんな中、私もある一つのセリフと奮闘してました。
この、セリフを面白く言うにはどうすれば…?

ああすれば…!?

なんて事を、毎日考え稽古でやってはみたものの、まだ足りない
感じでした。
もともと、人を演じることが好きでなかった私ですが、初めて人を
演じることを、物凄く楽しく感じました。


この、今回やるら抜きの殺意は、6年前に一度やろうとしたが、
作家からの許可が降りず、断念した劇です。

その時、出演したかった人の思い、作家の思い、道具や音、照明を
作ってきた人達の思いに答られるよう、役者として本番に向かいます。

  堀田八重子役・佐藤伸枝
Date: 2006-11-12 (Sun)
今日は公開リハーサルでした。
稽古場は日増しに熱を帯び、練習風景はみんな真剣そのものです。
私の役はこの作品の舞台である“ウェルネス堀田”の副社長、
堀田八重子です。

日本語の「女ことば」を使わず、「男のような」ことばづかいをする
八重子は一見エキセントリックにみえますが、彼女の中には
新しい時代の、そして自分らしく生きる人の萌芽があります。

今日は昨夜の稽古で決めたミザンスどおりに動けるかどうか
ドキドキしながら、リハーサルに臨みました。
立ち稽古に入ってからというもの、ずっと立ち往生している感じで、
本当にからだが動かず、あたふたしている状態が続きましたが、
少し動けるようになってきました。

これまでは、きっとこの作品の豊穣なことばの海に溺れていたの
でしょう。「ことばに振り回されてはだめ」と最初に思ったのに、
あまりにもせりふが「語っている」(饒舌な)ので、せりふに
押し倒されそうになるのです。これまでの稽古の中でずっと言われ
てきた「八重子の日常の仕事をしっかりやる」ということの意味が
ようやく分かりかけてきたところです。せりふの奥にある八重子と
いう人物、八重子の生活にもっともっとせまり、舞台の上に
「八重子」を存在させなければなりません。

今日の公開稽古でうれしかったのは、見てくれた準劇団員の子ども
達が「すっごくおもしろい」と言ってくれた事。うちの娘(中2)も、
我が家で練習していると、「八重子が大好き!」と言ってくれます。
これらのことばを励みに、そして本当に頑張っている共演者の
人たちの姿を力に・・・・私も・・・やりますとも!!

  殿村金弥役・榎本光雄
Date: 2006-11-05 (Sun)
今日の練習はAMから。みんな気合は入っていた。
PMからのけいこ参加で、殿村、若干気遅れ気味
(10月からの参加で遅れた分ガンバラネバ!)

きょうは初めての音が入っての練習だ。
音が入るとまた、雰囲気が変わる。
音響はやはり、今公演も西島さん。電話の音も実際に電話機から
鳴らす懲りようだ。

「あー、私が若かりし頃の電話のシーン、めざまし時計で
 やってたなー」

なんて、思い出しちゃいました。そのほかにも音は、まだまだ
いろいろ。
既製の音に頼らない、西島体制、今回も楽しみだぞっ。

清水恵さんが見学に来られ、その場で入団決めてくれました。
夜勤明けにもかかわらず、真剣にけいこ観てくれてました。
(退屈なところもあっただろうに・・)
今後の活躍期待してます。

役者全員が揃う時間には衣装をつけての通しけいこが始まった。
衣装・小道具もそれぞれ揃いだし、みんなだんだん役に入って
いく姿が見えてくる。
出番の直前まで、裏で台本見入る人、冬のシーンだが、汗かいて
やってる人、通しが終わった後はみんなの顔はさっきまで舞台の
セットで動き回ってた者とは別人のような『疲れたー』『脱力〜っ』
て感じだった。
役に入り込むため、一生懸命なのだ。

さあ、今月12日(日)には公開けいこだ。
そして1ヶ月足らずで、公演初日。

お時間のある方はぜひぜひ、観にいらしてください。
役者も、スタッフも活力になります。
お待ちしてまーす。

  堀田与平役・河村卓也
Date: 2006-10-29 (Sun)
今日は10時からけいこ場で「ら抜きの殺意」のけいこ。
準劇団員の子どもたちは、生活保健センターで、来年夏公演
『オリバー・ツイスト』 へむけて基礎訓練でした。
ちなみに、演出の佐藤さんと私は、9時半にきて準劇団員希望の
子とお母さんに劇団 の説明をしました。二十四の瞳を観て
やってみたいと思ったそうで、是非一緒にお芝居創りしたい
ですね。

さてさて、「ら抜き〜」のけいこはといいますと、
私と佐藤のぶえさんは夫婦役。お調子ものの夫社長と、しっかり
もの妻副社長。けいこ場で別のシーンのけいこをしていたので、
ぽかぽか気持ちのいい外で、のぶえさんと怪しい領収書をめぐる
夫婦バトルの打合せけいこをしました。
なかなかおもしろい夫婦なので、本番お楽しみに。

午後も私の出ないシーンのけいこをずっとやっとりました。
で、夜になりやっと私の出演する最初のシーン。
ウギャー!久しぶりの場面だったので、全然私駄目!
かなりショックを受けた私は、
「公開けいこまでになんとかしなければ・・・」
と心の中で誓うのでした。

そして9時からは、期待の新入劇団員 河野恵美さんの入団祝い会
をしました。彼女、今回の「ら抜き〜」では裏方ですが(ちょっと
演劇的センスありそうですよ〜)、来年の『オリバー・ツイスト』
に出演予定なのでお楽しみに。

劇団ひのではお芝居を創るとき、内容に関係することを勉強しあい
ます。その一環で、今回はそれぞれの役に関係ある
「言葉について」調べました。私は、カタカナ語 やコギャル語
などの流行語が課題。昨晩この課題にとりくみ朝方までかかったので、
今日のけいこは眠さとの闘いでもありました。

この日誌をかいているのは、11月1日(水)。
ただいま、ちょっと長引いてしまったけいこも終わり、タバコを
ふかす女優朝比奈とその横で枝豆をパクパク食べている役者河村。
ボケ〜っとならんで突っ立っているお間抜けな二人の姿。お互い
の姿に気がつき大笑い。
けいこが終わってほっとしていた瞬間でした。

  海老名俊彦役・木村晃純
Date: 2006-10-22 (Sun)
海老名役の木村です。

中年の紳士と言うことで、私、自前の髭を用意しました。
おどろくことにこの髭ひとつで、びつくりするほど老けました。
それは、もう、出張先で、年齢を聞かれて、失礼ですが、年の割り
に落ち着きがありますねと言われるほどです。

稽古に関しては、今日は、全体を通しつつ、演出と注意事項の確認
をしました。にもかかわらず、私は、台詞がほとんど出てこず他の
出演者に迷惑をかけ同士でした。きわめて反省です。
上がり症の私は、台詞を喋ろうとするとどっかに台詞が飛んでいっ
てしまう癖があり。直さねばと頑張っております。

そうそう今回の公演「ら抜きの殺意」はコメディーです。
タイトルが若干サスペンス系なので、誤解を生んでそうですが。
みなさんを心のそこから笑わせられるよう、頑張ろうと決意して
おります。よろしくお願いいたします。

  遠部その子役・朝比奈生美
Date: 2006-10-15 (Sun)
連日の共同作業が、間も無く終了する。
土曜も深夜迄、打ち合わせをしていた劇団員が本日も10時から
集まり、次回公演「オリバー・ツイスト」の歌レッスンを
爽やかに終えて、午後から「ら抜き」の立ち稽古に入るのだ。

本日から、未定キャストだった殿村金弥役に配役された、
えのさんこと、榎本光雄さんが参加し、全キャストが揃った中
で、六場面の稽古をした。

余談だが、えのさんは非情にパワフルな役者さんだ。
脚本に疑問を持つととことん引き下がらない。その姿勢は、
役にも大いに反映し、ちょっとした役でもえのさんが演じると
主役級の存在となる。
劇団ひのの舞台は、実に三年振りの参加である、えのさんの味の
ある芝居をお楽しみに。

話を戻そう。
前日に飲んだ酒の量に関しては言えないが、ともかく私は、
本日、早朝からの仕事で、それはそれは青白い顔をしており、
ファッションは苛立ちを覚える程にいい加減な状態で、
午後、稽古場へ到着をした。

稽古場に入ると、共同作業の成果で、ほぼ完成した装置が先ず
目に入り、その完成度は芝居が成功しそうな感じをムンムンに
醸し出していた。
あの装置は本番で、明りが加わればもっと色々な表情をして
くれるだろう。
他の役者達は、午前中にオリバーの歌レッスンを終えた後だっ
た為か、少しばかり顔がアクターっぽかった。
揃い始めた衣裳を身に着け、六場面の立ち稽古に挑む頃には、
私もそこそこにアクターな顔つきになっていただろうか。
覚えたての台詞を流々と喋ったが、二回目の登場の場面で
早くもこけてしまった。

「他にも言い様はあるでしょ!」
と言う台詞を
「他にも言い様はあるだじょっ!」
っと言ってしまい、瞬時に「酒!?」と前日を思い出す己が憎い。


凍った後は、持ち直したり、そのままこけたりを繰り返しながら、
遠部を演じ、稽古が終了したのは夜22時過ぎであった。
演出から
「台詞は訴えるよりも、常に何らかの行為をしながら喋り、
 日常会話のリアルを描いて欲しい」
という立ち稽古ならではの課題が出されたが、さて、明日から、
皆がこの課題に向かってどう創造を膨らますかが楽しみである。

芝居はコンビネーションが要なのは言う迄も無い。
しかし、この戯曲はテーマが「言葉」なだけに、
会話のリアリティーが殊更芝居を作って行く事になる。
出演者も揃い、裏方も一段落した本日から、
本番迄の稽古をどんどん会話の場にして行こうではないか!
等と、夜行性朝比奈は密かに企んでいた。

稽古後は、演出(佐藤さん)舞監(広岡氏)・演助(己)で酒を
飲み談義する。
雨宮役の浩ちゃんも少しだけ残って話を聞いていたが、
立ち稽古の緊張から解れたのか、安堵の表情でソファに座り込ん
でいたのが印象的だ。

皆真剣なのだ。

そして、談義しながら、演出家に休みは無いのだとしみじみ
思った。
初舞監のホープ広岡氏にも・・・。佐藤さんは「ら抜き」進行を
考えながら、次回公演も書き進め、広岡君は、本番に激走する
この時期、毎日芝居の事ばかりを考えており、今回役者も努める
彼は稽古時間も目が充血している。
私といえば、この原稿を書いた後に役者に配る創造課題を
作成する予定だ。

さぁ、本番迄、あと僅か。秋も過ぎ行く夜なりき。










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