お蔭様で、この5月で創立30周年を迎えることができました。
この間、皆様のご支援・ご協力ありがとう御座いました。
創立記念なのに何故、八王子で上演するのか・・・先ずその事から語りたいと思います。
4前から、東京市町村自治調査会「多摩交流センター」に助成の申請をしています。
施設で上演する場合は、会場費など予算がかさみますので助成金はとても助かっています。
センターの指針に「広く多摩地域の市民を対象にすること」と、うたってあり以前から日野市だけではなく、他市でも上演するように求められていました。
今回それに応じることにしたのです。
シェイクスピアの作品は、言葉の宝庫です。
どの作品にも人生哲学の言葉がちりばめられています。
「夏の夜の夢」は、恋や、夢や、想像すること、芝居についての示唆。
散文と韻文の結合、豊かな言語表現と言葉遊び。
ロマンとユーモアにあふれ、荒唐無稽に創られた物語・・・それらが特徴です。
どんな観点、切り口からも、自由に発想ができる、魅力的な作品なのです。
原題はミッドサマー・ナイト・ドリーム。
ミッドサマーナイトとは、6月の夏至祭をさすそうです。
夏至祭は狂気の沙汰と言う言葉もあるくらいで、人々の羽目の外しぶりはかなりのものだそうです。
そしてドリーム・・・一概に夢といっても、いろんな夢があります。
眠った時にみる「夢」。
実現すれば いいなあと思う「夢」。
社会や厳しい現実から遊離して享楽する「夢」。
芝居=「一夜の夢まぼろし」・・・と、いうように、いくつもの意味があります。
「夏の夜の夢」が、今日も多くの人に愛され、楽しまれている理由の一つには、「夢」が題材とされているからだと思います。
このドラマでの「夢」とは、それら全ての夢が絡んでいます。夢という虚の世界を実なるものとして描きえたシェイクスピア。
私は、その面白さをきっちりと描き、言葉の表現に重きをおき、役者と観客の想像力を引き出す舞台。元気ではつらつとした舞台を目指しています。
劇団「ひの」が、この30年培ってきた創造的な蓄積を全力でそそいで「夏の夜の夢」にチャレンジします。
公演当日は、両日とも「八王子祭り」です。町が祭りで賑わっています。
そして劇団「ひの」30周年のお祝いです。
パックをはじめとする妖精たちが登場しますが、妖精は祝福と豊饒(ほうじょう)をたたえる役割をになっています。
祝祭劇でもあるこの芝居をそのお祭り気分の中で、楽しく陽気に愉快に催し、一夜の夢を創りあげたいと思い、老若男女みんなで悪戦苦闘しています。
是非、いちょうホールに足を運んでください。
皆様のご来場を、心からお待ちしております。