大どろぼう「日野」に、三たびあらわれる! 演出/佐藤利勝 |
児童劇は、これまでの86回の公演中、約半数の36回となります。子どもたちにより良い演劇文化を届けたい、子どもの生活や現実をみつめたい、子どもたちの(と)演じる場をつくりたい、などの思いで創立当初から取り組んできました。昨年は、けいこ場公演が3月と12月になり、夏の公演ができませんでしたので・・・年を越しましたが、「二人の長い影」「闇に咲く花」に続き、劇団「ひの」創立40周年記念と位置づけ、その第3段として上演します。 子ども大人も、楽しめる作品を届けたいとの思いで、人気の高かった「ホッツェンプロッツ」を選びました。児童文学のベストセラーの一つに数えられており、書店にも必ずといっていいほどシーリーズ3作が並べられています。素朴な明るさ、温かみをもつユーモア、小さな読者の気持ちで物事を見・子どもの発想や感覚で出来事をとらえられており、ワクワクドキドキしながら、物語が展開されていきます。初演1986年、再演2000年と・・・偶然ですが、14年毎に上演しており、「三たび」の登場となります。 プロイスラー(1923~2013年)は、チェコスロバキアのボヘミア地方のリベレツで少年時代を過ごしました。戦後、ドイツ南東部のオーバーバイエルン地方に移り小学校の教師をしながら児童文学の創作にたずさわりました。子どもが大好きで、自分の娘たちに語ったり、学校で生徒たちに話をすることにより物語を豊かにした9うです。昔話や伝説を重んずるドイツ児童文学を受け継いでおり、「ホッツェンプロッツ」は伝統的な道化(カスパール)物語を下敷きにし、幸せな家庭生活が中心におかれています。 劇団員(高校2年生)と準劇団員2人(小学3年と5年生)が入りました。本来7役ですが、アマリリス・スズガエル・おばあちゃんの3役をダブルキャストとし、11人で演じ分けます。初演の時に大魔法使いを演じた、元手品師の大沢徹さんからマジックの指導を受け、久々に歌・踊りも多くあり、連日公演の準備に励んでいます。子どもたちが演劇に触れる機会が少なくなっているなか、日々の暮らしに追われるなか・・・夢と希望がいっぱいの世界を一緒に冒険でき、大人の方は子ども心を蘇らせ一緒に楽しめ、明日の活力となる芝居を目指して奮闘しています。是非、子どもたちに声をおかけください。大人の方も、子ども心をふるわせて、足をお運びください。皆様のご来場を心からお待ちしています。 |