ある日おかしなハガキが一郎に届いた。山猫からだ。一郎は嬉(うれ)しくなって出かけ、途中栗の木や滝やキノコのおかしな案内で、やっと着いてみると、大きいのや小さいのや…どんぐりたちがワイワイガヤガヤ大騒ぎ。一体どうしたのだろう?
奇妙な名前の黒い松の森があった。どうしてこんな名前がついたのか、ある日、大きな巌(いわ)が教えてくれた…ある年の秋、四人の百姓たちがやって来て森に、畑を耕(たがや)してもいいかと聞いた。百姓たちは森の許可をもらって開拓を始めたが…。
嘉十(かじゅう)はケガをして湯治(とうじ)に出かけた。途中銀色のすすき野原で栃(とち)の団子を食べ、残った団子を「鹿さくれてやるべか」と、うめばちそうの花の下に置いて出かけた。すると鹿たちが来て輪になってぐるぐるまわりはじめた…。