どうして戦争の話になったら、そうして知らん顔をするんや。
  むかしの沖縄はよかったというて楽しい話は小さなことまでするくせに…

舞台は神戸の港町にある琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」。
  てだのふあ(太陽の子)ことふうちゃんは小学六年生の女の子。
  周りの人が沖縄の自慢話をしても「うちは神戸党や」といって相手にしないふうちゃんであったが、あるとき自分の周りの優しい人たちの中に大きな苦しみがあることを知る。
  そしてふうちゃんは“沖縄”を学んでいく…

小学六年生の少女が沖縄や周りの人たちのことを知っていくなかで、自分自身その苦しみを感じ、壁にぶつかり、悩み、それでも逃げずに真剣に向き合っていくさまは、学ぶことが本業である学生の私にとっていろんな意味で強く胸を打つものだった。
  そして私が衝撃を受けたのは、てだのふあ・おきなわ亭に集まる人たちが皆温かく優しい人たちだということである。
  辛く悲しい目にあってきた人たちが明るく逞しく生きている、このことは私に真の強さとは何かを考えさせる。沖縄を生きる人びとが、温かく、ときに力強く語りかけてくるある港町の物語。
乞うご期待!

| と き : 2009/11月〜12月 ところ : 劇団「ひの」けいこ場 |