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第90回公演
羽衣House 〜 突撃インタビュー 〜

千秋楽カーテンコールでの喝采を受け、ピンと張り詰めていたテンションをようやく緩めることのできた笑顔の数々。
二週間にわたる公演の舞台がはねた後、キャスト、スタッフの顔は文字通り輝いていました。
劇団「ひの」Web委員による公式突撃インタビューに答えてくれた一人ひとりの思いを綴ります。

<表美子さん 羽衣Houseを設立した羽子田美帆役>
 役作りのため、年表を作って美帆のそれまでの人生を想像しました。美帆さんは皆から慕われ尊敬されるグレートキャラ。
 器の大きい素晴らしい人物なので、自分も頑張らなきゃって思いました。
 それと、竜君への対応が彼女のキャラクターを表してもいるので、彼女の大きさが伝わるように意識しました。
 好きなセリフですか? 電話でタカノリ君に諭すところかな。「大人の力を信じなさい」とかね。

 今後ですか? 機会があれば、井上ひさしの劇をやってみたいですね。

<清水恵さん 熱血キック女子の松原桜子役>
 脚本を読んだ時、「あ、これやりたいな」と思った作品です。でも難しかった。“当事者じゃないのにやっていいのか?感“があって・・・。
 キックの演技ですか? 空手の経験が活きたかも知れませんね。  これまで未亡人役とか多かったんですけど(笑)、恋愛役は初めてです。

 “あの時、大阪で矢野原融と何があったか“については川上さんと話し合いながら色々想像しましたね。
 え、抱擁シーンですか? ちょっと、ぎこちなかったかなあ・・・(笑)。

<川上剛さん マジシャン・絵本作家で桜子の元カレ矢野原融役>
 はー、疲れました(笑)。
  舞台挨拶は初めての経験で、千秋楽はカミまくっちゃいました(笑)。

 融は不思議な役で、いわば一人だけ部外者なのに殆んど全部のシーン舞台の上にいて皆の話を聞いている中立的立場。
 ですので、どちらかに片寄らないように意識しました。

 振られた(振った?)桜子との関係についてはシナリオに書かれていない二人の歴史を恵さんと一緒に想像しました。
 10年前に一体何があったんだろうかと。え、抱擁シーンですか? そうですね、とても印象的でした(笑)。

<安孫子基嗣さん 桜子を同僚として応援する自然教室インストラクター仲島和人役>
 初めて劇団「ひの」に参加させて頂きましたが、とても良い方ばかりで、すっかり融け込ませてもらってます。
 皆さんの芝居に対する真剣なスタンスは大変勉強になりました。
 舞台では少々トチったところもありましたが、中嶋役は観客の皆さんを笑かす事ができて、かなり手応えはありましたね。
 仕事との両立は大変でしたが、本当にやって良かったです。

 今後は、コントもやってみたいと思います。

<北谷多嬉さん 竜君をソデにする女子大生ボランティア真鍋亜美役>
 これまでは児童劇だけで年1回の公演でしたが、今回は年2回フルに参加し、勉強や部活もあって結構大変でした。
 でも疲れてませんよ、若いから(笑)。16才の私が20才の役を演じるって結構ギャップがあると思いましたが、皆から20才に見えたよと言ってもらえて嬉しかったです。

 好きな台詞ですか? 竜君に言う 「人間、分かってなさすぎ!」 かな。

 演出へのコメントですか? えっと・・・大好きです(笑)。
  (注:近くで演出の佐藤さんが聞き耳を立てていたためか・・・)

<中田有さん 亜美を追いかけてきた19才フリーター大崎竜役>
 キャラづくりではネトウヨとか色々調べれば調べるほど難しいと感じました。
 でも、竜くんがすぐ何かを信じちゃうという気持ちも分かるような気がします。
 男役でも特に意識する事なく普通にできました。ちょっと声を低くするようにしたくらいかな。

 今回の劇をやって変わったところですか? 力を抜くようにできた事でしょうか。

 今後やりたい役ですか? 何にでも挑戦したいと思います。

<三輪多紀さん 家族を離れ子どもと自主避難している母親 笑(えみ)さん役>
 脚本を読んで号泣しちゃいました。
 この素晴らしいストーリーを下手な演技で台無しにしてはいけないな、と思いましたね。
 今回はベテランの榎本さんと夫婦役で本当に勉強になりました。

 どうやったら長台詞が頭に入るかですか? 私の場合はワープロに打ち込んで覚えます。
 それと、お料理をする時にずっと台詞をしゃべってますね(笑)。

 今回の劇を機に、大人は子供のために、って改めて思いました。

 今後ですか? コメディパートもやってみたいです。

<榎本光雄さん 笑さんと子供を連れて帰りたい根本哲也役>
 それほど緊張はしませんでしたね。
 稽古場公演は観客の皆さんの反応もよく分かってやりやすかったです。
 笑さん役の三輪さんとは、この夫婦がどのような背景にあるか色々話し合いました。
 笑さんの本名は“由美子”という事にしようとか、哲也はリフォーム会社の営業マンという設定でいこうか、とかですね。
 そういう風に想像してみる事で役作りに幅が出てきたのではないかと思います。
 劇中で哲也は最初頭ごなしに家族を連れて帰ると力んでるわけですが、散歩から帰ったところである程度理解を示すようになりますよね。
 この辺の微妙な心境の変化をうまく表現できるように意識しました。

 今後ですか? キャラは違いますが、チャーリーさんみたいに楽しく歌を歌う役もやりたいですね(笑)。

<荒谷郁男さん かつて原発推進派議員だったチャーリーさん役>
 一人カラオケとかも結構行くんですが、歌が好きなので今回の役はハマってました。
 気持ちよく歌えてたんですが、最終日にどういう訳かちょっとだけ音程を外してしまった所があって残念。

 今回の役を演じるにあたって原発の事とか色々勉強しました。
 「チェルノブイリの祈り」を読んだりですね。
 福島弁は最後が上がるので喋り方も研究しました。

 今後やりたい役ですか? そうだねえ、まあ与えられた役を精一杯やるって事ですね。

<高橋智子さん 子どもと自主避難している看護士マリンさん役>
 千秋楽を終えてですか?
 永遠に終わらないと思った8回の公演があっという間に終わってしまい、とても淋しい感じです。終わってしまうと、もっとやりたいような気がします。

マリンさんの役作りでは、“明るく乗り切っている”というイメージが最初はしっくりこなくて苦労しました。
それと、彼女はしゃべる時にまず「うん」から始めるんだけど、自分では普段言わないような口癖なので、自然と言えるようにするのは難しかったですね。
うまくいったと思った時には、「うん」を川上さんに食われちゃったりしてね(笑)。

 今後ですか? うん、何にでもチャレンジしたいね。 

スタッフの方々にもインタビューしました(^^♪


<西島隆さん 音響>
 今回は、インターネットに助けられましたね。
 若い人の唄を使うというリクエストだったので、今まであまり知らなかった曲を検索し参考にしました。

<矢作好男さん 照明操作>
 ほぼ完ぺきにいけたと思います。90〜95かな。
 あとは、ほんの少しだけ遅れたりとかありましたけど、指サックのおかげで操作が上手くいきました。
 素手だとボタンが滑るんですよ、時々。

 今回で5回目の参加です。
 この劇の場合は操作が130回くらいありますが、千秋楽を終えて充実感がありますね。

<佐藤利勝さん 演出(鬼の演出とも仏の演出とも言われている?(笑))>
 この作品をやって本当に良かったですね。
 それと、やれて良かったです。一時は上演許可が取れないかも、という状況でしたから。
 キャスティングのイメージはすぐに浮かんでいましたから、最終的に許可が取れて良かった〜。配役は大正解だったと思います。

 どんな場合でも100点という事はありませんが、千秋楽は完成に近づきましたね。
 劇団「ひの」の代表作の一つになったと考えていいんじゃないでしょうか。

 色々な皆さんのご協力でいい作品を上演する事ができました。本当にありがとうございました。