春立ちぬ 〜突撃インタビュー〜
2016年11月26日(土)〜12月4日(日)の公演が好評のうちに終演し、キャスト、スタッフ全員本当にいい笑顔でした。
千秋楽後の打上げでは感極まって舞台監督らが落涙する場面も・・・。劇団「ひの」Web委員会による公式突撃インタビューに答えてくれたメンバーの思いを綴ります。
今回インタビュアーを務めたのは、三輪多紀さん(役者でありWeb委員でもあり)、下平由美(シモーヌ古谷)さん(友情応援インタビュアー)、伊藤高光(Web委員)の三名でした。
北谷多嬉 松浦家の長女 小枝子(高2)(バスケ部内の問題で悩む)役
- 小枝子と自分の共通点はどこですか?
「一見まじめなところ。」
- 違うところは?
「ズバッと言っちゃうところ。」
- 演技で苦労したところは?
「小枝子は気持ちが複雑。親の知らないところで敏樹のいじめの事も知っていたり、麻里の事もあって、今小枝子がどんな気持ちなのか、読み取るのが難しかった。いろいろ助言をもらって、こうなんじゃないかという演技はしたけど・・・。」
( すばらしい“小枝子”でしたよ!)
- 多嬉ちゃんにとって「春」とは?
「新しい年のはじまり。新たな気持ちになれます」
- 今回の舞台は満足できましたか?
「(うーん、としばらく考えた後)観に来てくれた人に“よかったよ”とたくさん言ってもらえたので満足です」
高橋胡桃梨(ことり) 松浦家の次女 彩香(中3)役
〜ほとんど舞台に出っぱなしで頑張ってくれました〜
- 彩香と自分の共通点はどこですか?
「中3。勉強嫌い。味方してくれる友達がいるところ。」
- 違うところは?
「思ってても彩香みたいに何もかもズバッと言うわけじゃない。任されたことは最後までやるけど(今回も最後までがっつり頑張ったもんね!)、面倒なことになるのは避けるようにしている。」
- 演技で苦労した点は?
「4景かな。特に“臆病者!”が難しかった。彩香の考えていること、何でそこでそういう気持ちになるのかが分からなくて苦労した。あとは普段から早口だから、ゆっくりしゃべるように注意されたけど、どれくらいゆっくりしゃべればいいのかが分からなかった。自分の思っているところと、聴き手が欲しているところが違うから、聴き手の要求に寄せるのが大変だった」
- “彩香”はどんな子だと思いますか?
「思ったことをそのまま、あまり後のことを考えないで口にする人」
- 胡桃梨ちゃんにとって“春”とは?
「改めて人を知る季節」
高橋桐梨(きりり)彩香の同級生 安原朋美役
〜お母さんが大変な事に〜
- 朋美と自分の共通点はどこですか?
「おかし好きなところ。あと家庭環境も似てます」
- 違うところは?
「(朋美は)いじめられているところ」
- 演技で苦労した点は?
「4景の最後のセリフが直前まで出来なかった。演出の考えていることがよく分からなくて苦労したけど、方向性は自分の考えていることと一緒だと思いました。いろいろ工夫していたら最後にOK出ました」(そうそう。最後は佐藤さんからほめられてました!)
- この劇を通して、伝えたかったことはなんですか?
「“友情”かな?」
- 桐梨ちゃんにとって“春”とは?
「新しい友達」
高野美咲 彩香の同級生 富田香奈恵役(ダブルキャスト)
- 香奈恵と自分の共通点はどこですか?
「お母さんとよくけんかするところ。つっこみ役のところも似てます」
- 違うところは?
「勉強が出来るところ」
- 演技で苦労した点は?
「滑舌よくしゃべるところ。あと動きとセリフを全部おぼえて全部やるところ」
- 初舞台の感想は?
「いろいろあったけど、出れてよかったです」
(部活との両立も大変そうだったね。良く頑張りました!)
- 美咲ちゃんにとって「春」とは?
「何事もないほんわかした毎日。それから“恋”!」
戸高葉菜子 彩香の同級生 富田香奈恵役(ダブルキャスト)
- 香奈恵と自分の共通点はどこですか?
「親しい人には本音を言うところ」
- 違うところは?
勉強が得意なところ」
(ダブルキャスト、二人とも同じ答え!!)
- 演技で苦労した点は?
「お母さんからの電話のシーン。実際は聞こえていない相手の声を考えながら演技をするのが難しかったです」
- 初舞台の感想は?
「楽しかったー!」
(とびっきりの笑顔で!よかった!!)
- 葉菜子ちゃんにとって“春”とは?
「明るい未来」
荒谷郁男 松浦家のお父さん 松浦栄一役
- 芝居が終わっていかがですか?
「よかった?」(ほっとした表情)
- 今回の役で苦労したことは?
「長いセリフだよ。覚えるのに時間がかかるんだよ。歳もあるのかな。」
- 恵さんとの夫婦役はいかがでしたか?
「とにかくよく夫婦で話し合いをして創りました。」
- 佐藤さんの演出はいかがでしたか?
「随分やさしくなったよ。」
- 次にやってみたい役は?
「おもしろい役がいいかな。」
清水恵 松浦家のお母さん 松浦鈴江役
- 今回、恵さんの新境地を開いたように感じましたが、ご本人的にはいかがでしたか?
「そうですかあ(笑)? それぞれに何らかの問題を抱えている思春期の子ども3人を育てている母親って、今までやったどの母親役よりも難しいですよね。自分ではコミカルな役の方が得意かなと思ってましたが、今回はシリアスな役。苦労しました」
- 劇中、彩香(次女)との対決的なやり取りは迫力ありましたよね。
「あれは、結構きつかったです。みんなには気付かれないようにですが、そこはすっごい頑張りました」
- この芝居を通じて、改めて伝えたいメッセージは?
「諦めている大人に対して、若い子たちの叫びが響くといいですね。小枝子や彩香たちに言われる“逃げてるだけじゃダメだ”っていうような」
- 次回作も楽しみですね。
「8年前の“カモメに飛ぶことを教えた猫”でも母カモメ役だったんです。今度は何役か楽しみ・・・」
三輪多紀 生き抜いてきた大叔母シゲ子役
〜相変わらず長ゼリフをものともしない三輪さんファンが増えています〜
- シゲ子ってどんな人?
「最初は暗くて嫌味なおばあさんって思ったのですが、実はたくましくて強くて今は家族に恵まれて楽しく暮らしている人なんですね。“生きてりゃ良いこともある”って彼女の実感だと思います」
- 役作りは大変でしたか?
「そもそもお婆さんになるという時点で、スタートラインにも着けていない感じでした。実年齢とのギャップを埋める事に意識がいきすぎて、シゲ子のキャラが出せなかった。演出から“一度年齢の事を忘れろ”と言われて変わりました」
- 本番では十分キャラができていたし、お婆さんぽくなってましたよ
「公開げいこのビデオを見て色々直しました」
- 改めて伝えたい事は?
「生きてる事が大事。そのためには生きていこうとする心の力を持つ。そうすれば自然と周りも助けてくれる。って事でしょうか」
- これからも看板女優への道を突き進んでください!
鈴木詠翔 松浦家長男の引篭もり浪人生 松浦敏樹役
- 初めての劇団「ひの」いかがでしたか?
「本格的な演劇出演は初めてでしたが、バレエほどには緊張しませんでした(本職はバレエダンサー)。 パン喰い競争みたいなもので、どれだけ喰えるかを意識しました。千秋楽では母親も見に来てくれていたんですが、“大学受験を止めようと思っている”と語る場面で、恵さん(母親役)と自分の母親が同じ視界に入っていて、ダブル母親状態。一瞬冷や汗をかきました(笑)」
- 今後、バレエとともに演劇も続けていきますか?
「バレエダンサーを軸として役者もやるマルチ芸術家みたいなものを目指していきたいと思っているので、今回の役者デビューは良いきっかけになったと思います」
川上剛 いい人なのか悪い人なのか得体の知れない川野先生役と面白い警官役
*インタビュアーのシモーヌ特派員に「まずお勤めごくろうさまです」(川上くんらしい)
- 芝居が終わっていかがですか?
「挨拶の最後でなぜか感極まってしまいました。今回の芝居はなんといっても中高生たちががんばってくれました。僕はまあ、さしみのつまみたいなもんでしたね。」
- 役で苦労したことは?
「先生ですね。もう苦労しました。迷宮入りしてました。なんでもないところに悪がひそむ。その毒…。それを表現するのに最後の最後まで苦しみました。」
- 次にやってみたい役は?
「しっとり系、そろそろしっとり系。胃もたれしそうですから…(笑)」
高橋智子 悪い人じゃないんだけど・・・の小宮さん役
- 悪い人じゃないんだけど、ちょっとKYだったりする小宮さんですよね
「まあ、こういう人いるだろうなっていう感じなので、役作りはそれなりにイメージできましたね。自分で自分の言うセリフの内容にイラっとしたりして・・・。公演後にお客さんから“小宮さんには本当にムカついたよ”と言われて、ちょっと嬉しかったです」
- 今回も親子参加ですね。
「やっぱり親子で一緒に舞台に立てて楽しい。今回は次女(高橋胡桃梨さん)の出番と台詞がずいぶんと多かったので、終演後に彼女がホッとして涙している姿を見てとっても嬉しくなりました」
- 3人とも大活躍でしたね。
「次回作も頑張りたいなあ」
百瀬海 身投げまで考えたけれど思い留まった麻里役
- 久しぶりの公演お疲れ様でした
「皆さん暖かく迎えてくれて嬉しかったです。若い子たちに圧倒され、改めて演劇の難しさを感じつつも楽しくやれました」
- 麻里役を演じてみていかがでしたか?
「気持ちを作るのに苦労しました。麻里になりきるには辛くて苦しい気持ちにならなくてはいけないので、自分の気持ちも本当に辛くなります。彼女の境遇に関係したニュースなどを見るようにしました。そうすると今までは色々言っても他人事だったんだなと気づかされました。いい作品に出会えたと思います」
- 次回作、8年前にはカモメのフォルトゥナータでしたね
「またやってみたい気持ちはありますが、あの頃のようなフレッシュ感出せるかなあ? もし選んで頂ければ勿論頑張りますし、どんな役を頂いても“カモメ”には絶対出たいです!」
鈴木健太 郵便配達員役
- 初めての公演いかがでしたか?
「劇団に入って、郵便配達員を演じる事ができて、すごく嬉しかったです。今後も続けたいと思います」
- 劇団「ひの」に入ったきっかけは?
「以前の公演“ジプシー”を観て以来、ぜひ自分もやってみたいとずっと思っていて、今回それが実現しました」
- 今後やりたい役は?
「荒谷さんの子ども役をやりたいです」
佐藤利勝 かつての“鬼の演出”も最近では“仏の演出”だとか・・・??
「今回は中高生も活躍できる作品を探していて"春立ちぬ"を選ぶ事になり、本当に良かったと思います。稽古は大変でしたが、みんなで意見をぶつけ合って良い芝居に仕上げていく事ができた。そして、また、いい仲間ができたと思います」
- 手ごたえはいかがでしたか?
「予想以上に反響がありました。8回のステージそれぞれで観客の反応は違っていましたが、シリアスなストーリーの中にも笑いと涙がある作品で、皆さん真剣に観劇してくださいました」
- 演出で難しかったところは?
「知ってるようで知らない事が沢山あると改めて思いました。例えば、教育現場の実態、先生の姿、引きこもりの問題等々。このような問題に直面した時、人はどう対応するのか。作品を読み込む事と役者に伝える事が本当に難しかったです」
- 先生役は不気味に得体の知れないキャラですよね?
「二転三転どころか五転くらいしました。単純にいい人とか悪い人という事ではなくて、どの登場人物も複雑なものを抱えているんですね」
- 彩香や小枝子はどうですか?
「役に求められている表現がなかなかできなくて演出に苦労しました。でも、公演初日にはできていた。それぞれ悔しくて泣くくらい頑張ったんでしょうね。自分の生き方にもできたのかも知れません」
- 次回作も楽しみですね。
「1月22日(日)新年会を行いますが、その後くらいから、“カモメに飛ぶことを教えた猫”本格始動します。すでに多数の出演予定者がおり、脚本も書き直しているところです。ぜひご期待ください」