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劇団「ひの」 第93回公演

カモメに飛ぶことを教えた猫


~2017年 夏の公演~
  • 6/24(土) 午後 6時30分
  • 6/25(日) 午前10時00分
  • 6/25(日) 午後 2時30分
  • ◆あらすじと宣伝
    ネコは卵を産みません。カモメとは違います。
    でも、もしもネコがカモメの卵を育てることになったらどうしたらいいのでしょうか?
    え? そもそもそんな事になるはずがないって?
    そうです、そう思う方は正常です(笑)。
    でも、そういう事になっちゃったんですね。
    今回はそういう面白い事が起こっちゃう劇なんです。
    みなさんも、自分がもしカモメの卵を育てる事になったらどうするか考えてみてください。
    そして、その卵から可愛いヒナが生れてきたらどうしましょう?
    しかも、その可愛いカモメに飛ぶことを教える事になったらどうしますか?

    今、世界は不寛容の時代にあると言われています。
    え、そんなことが何か関係あるの? と思うかもしれませんね。
    でも、自分と違う種類のものは受け入れたくないという近視眼的な感情が広がりかけている世界の中で、ネコがカモメに飛ぶことを教えるなんてお話、とてもステキではないでしょうか?
    もし、このカモメ(フォルトゥーナ)がお母さんカモメに育ててもらっていたら、空を飛ぶなんて当たり前にできた事かも知れません。
    でも、ネコ(ゾルバ)に育てられたフォルトゥナータにはとっても難しい話で、飛ぼうという気持ちさえもなかなか起こりません。
    でも、夢を実現できるのは夢に挑戦した人だけです。いえ、夢に挑戦したネコやカモメだけと言うべきでしょうか(笑)。
    さあ、フォルトゥナータは本当に空を飛べるのか? 
    子どもの頃のような優しい気持ちを思い出させてくれる「カモメに飛ぶことを教えた猫」
    ぜひ、大人も子どもも一緒に楽しんでください。

    ◆演出より
    異なるものとの出会い、約束と誓い、そして……
    演出/佐藤利勝
     この作品は、劇団「ひの」第81回公演として、2010年に上演しました。今回、7年ぶりの再演となります。
    「いい話だった」「感動したよ」「ジーンときました」「強い願いを感じた」「メッセージに励まされた」「希望をもってこれからも生きていきたい」などなど、3人に一人の割合で多くのアンケートが寄せられ好評でした。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは『8才から88才までの小説』と言われ、1996年の出版から多くの読者に愛され、特にイタリアでベストセラーとなったそうです。
    日本では中学の英語の教科書にも掲載されています。

    作品の舞台は、ドイツの北部に位置する港湾都市ハンブルグです。
    黒猫ゾルバがカモメに、大空を自由に飛びまわることを教えるのですから、これは一筋縄ではいきません。
    しかも、鳥は猫の好物でもあります。カモメと猫、まったく異なった者どうしの出来事である事に、この物語の特徴と意味があります。
    港じゅうの猫が知恵と力を合わせ、時にはピンチやスランプに合いながらも、飛ばせるとの約束を果たすために奮闘するのです。
    詩人が語る「飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ」という心を打つ言葉など、ファンタジーの世界を通じて、大切にしなくてはならない事柄が描かれた魅力的なドラマです。

    ルイス・セプルベダ氏は南米チリ生まれ。ピノチェトの軍事クーデターによって約3年間投獄され、後に世界各地を回り1980年からハンブルグに拠点を持ち作家活動をされています。
    人間のおごりや人間の希望を探りながら歩んでこられた道のりが作品に深く投影されています。
    そのヨーロッパやアメリカなど、テロや差別を理由とした移民問題や排外主義、ポピュリズムの台頭。日本でも、いじめや差別など、やはり排他的な風潮がはびこっています。
    その一方で、困難に挑戦し、夢を実現する素晴らしい姿も多く目にします。
    作品を通じて、時代に響かせるメッセージを届けたいと思っています。

    小3から中2までの準劇団員10人、高校生から70代までの劇団員14人、合わせて24人で50の役を演じます。
    3人の新人も迎えることができ、みんな真剣にけいこ・歌・ダンスに励んでいます。けいこ場には、高さ2メートル、幅7メートルのタワーが組まれ、汗だくで表現に挑んでいます。
    今回は、プロのダンサーの方にも出演いただき、カモメが飛ぶ幻想シーンを描きますので、ご期待下さい。
    みな様のご来場を心からお待ちしています。