セロの音は生きる喜び 脚色・演出:佐藤利勝 ♠思い出深い作品
「日野市民吹奏楽団」の方々に楽手として出演して頂きました。 その6年後の1984年に第29回公演として、社会教育センターと市内小学校体育館(3校)で再演(観客総数600人)。 はじめて演出した作品でしたので、社会教育センター体育館の片隅で、心臓がバクバクとして開演をむかえた、20代だった頃の思い出深い作品です。 宮沢賢治が構想した、誰もが文化を楽しむ理想郷であるイーハトーブの世界を知り、今でも演劇活動の支え理念となっています。 ♥40年ぶりの上演
再々演にあたり、
個人的ですが、演出活動40年にあたりますので、これまで培った経験を活かし、よりよい作品を創りあげたいと思っています。 ♦いくつかの驚き(一本の線)
無惨にも2019年12月4日に何者かに銃殺されました。 その中村さんが、NHK ラジオ深夜便で語られた事をまとめた「わたしはセロ弾きのゴーシュ」という本があります。 あとがきで「賢治の描くゴーシュは、欠点や美点、醜さや気高さを併せ持つ普通の人が、いかに与えられた時間を生き抜くか、示唆に富んでいます。 それゆえ、ゴーシュの姿が自分と重なって仕方ありません」と、語られています。 中村さんの長年の原動力に繋がっている事に驚きました。 もう一人、NHK交響楽団の前身である「新交響楽団」で、セロの演奏や指揮をされていた音楽家の齋藤秀雄氏は、「演奏に心がない」とゴーシュを叱り、ラストでゴーシュをほめる楽長のモデルと言われています。 賢治自身「新交響楽団」でセロを習った事があるのです。 その齋藤さんがオーケストラ育成のために設立された「桐朋学園」。 今年の2月6日に他界された小澤征爾氏は、その大学の一期生だったのです。 また、音楽を通じて世界全体の幸福を求めるベートーヴェン。 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と考えていた賢治。 二人に共通点がある事にも驚きました。 ♣ゴーシュの成長
7人の大人と8人の子どもたちで、お芝居・歌・ダンス・演奏に取組んでいます。 ゴーシュが成長していく過程をしっかりと描ける様に挑んでいます。 皆さまのご来場を心からお待ちしております。 |