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今月のクローズアップ

[2002年11月]


中村麻紀さん

私が劇団「ひの」に入団したのは、今から5年前、16のときでした。
 当時から演劇が好きだった私に両親が、ある情報誌に載っていた劇団の募集を持ってきてくれたのがきっかけでした。
 初舞台は「不思議の国のアリス」 トランプとヒナギクの役をもらいました。
入団当初は最年少だったので、周りは年上のひとばかり。
それまで年上のひとたちとなにかをするということがなかったので、はじめは戸惑い気味でした。
でも稽古をしているうちに、下は16、上は83のひとたちが皆でひとつのものを作り上げていることに純粋に感動しました。
皆、芝居が大好きで、おなじところに向かっていくパワーには本当に刺激されました。
 その後、立て続けに「マンザナわが町」「モモ」と出演させて頂き、高校三年になった私は、考えることが多くなって、しばらく劇団を離れていました。
その間も劇団「ひの」の舞台は観させてもらっていて、やっぱりまた舞台に立ちたいと思うようになりました。
 今年6月、「銀のシギ」で3年ぶりに舞台に立ちました。やっぱり楽しくて、やっぱり感動しました。
「銀のシギ」のなかで、私がやらせてもらった『ジェン』という役は本当に明るくて可愛くて、一生懸命で、役を頂いたときから大好きでした。
そんな彼女を演じることが出来て幸せでした。
やっぱり役者にとって自分の役を好きになることは、本当に大切なことだとつくづく感じた作品でした。
3年前までは与えられた役を、スキとかキライとかそんなことも考えずに、ただただやっていた気がしますが、「銀のシギ」では、公演が終わってしまうことが、もうジェンを演じれなくなってしまうことがとても寂しくてしょうがなかったことを覚えています。
 そして、今年12月の稽古場公演「煙が目にしみる」では、瀬能あずさという女性を演じます。
まだ稽古中ですが、私は彼女のことが大好きです。
どんな女性かはまだ言えませんが、彼女のことを精一杯演じたいと思います。