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今月のクローズアップ

[2003年6月]


佐藤伸枝さん

今年の2月、40歳の誕生日に劇団に入りました。

女優を夢見て上京...はよくある話ですが...大学に通いながら、とある劇団の研究生をしていた青春時代でした。
その後、いくつかの仕事を経て、今は中学校の教師をしています。
なぜまた演劇をはじめたのか。
それにはいろいろな理由があるような気がしますが、ともかく、これまでの様々な体験のうえに、今、自分のからだをつかって表現したいという強烈な思いがむくむくと立ち現れてきたのです。
しかしこれは必要条件ともいうべきものです。
なぜ演劇をやるのか....その十分条件はやはり劇団ひのというすばらしい劇団に出会ったことです。
この世に劇団ひのがなかったら、絶対に絶対に仕事と家庭以外の世界に足を踏み入れることはなかったと思います。
(私にとっては、この2つだけでも結構ハードな人生なのです。)
劇団ひの...なんといっても稽古場が、うちのベランダから見えるほど近い!この利便性は捨てがたい魅力です。
しかし!これも劇団そのものの魅力からすればささやかな魅力に過ぎません。
なにを隠そう、私はいままでいろいろなお芝居を見てきましたが、これほどまでに胸をあつくさせられる劇団はありませんでした。
初めてみた劇団の芝居は、『ラヴレター』だそうです。
(題名を忘れてしまっていたのですが、このあいだ河村卓哉さんに「男の人がいて、そしてそこに女の人がふたり出てくるむずかしいお芝居なんだけど。」といったら「『ラヴレター』じゃないですか。」と教えてくれました。よくわかるね。スゴーイ)
その日から次々と劇団のお芝居を見ました。
その度に「劇団ひのはいい。」という確信が強くなるのでした。
愛とヒューマニズムあふれるテーマ、役柄とそれを演じるひとたちの絶妙なブレンド、ひとが大切にされてちゃんと生きている舞台....etc。
そこには忘れかけていた「明るさ」と「健康さ」がありました。
この場を借りて正直告白するなら、私はこの劇団のひとたちがとてもいとしく感じられてきたのでした。
そして....愛してしまったのです。
もう一緒にやるしかありません。
だからやります!
ほんのわずかな力しか出せないのですが。
老若男女(老いてる人はいないと思いますが、つまり世代を越えてつながって)様々な場所で一生懸命生活しながら、演劇を愛してやまないひとたちと、ともに、いつまでも夢とロマンを追いかけていきたいです。
(かっこよく決まったかな。)