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今月のクローズアップ
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[2004年12月]
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佐野和子さん

 泰山木の木の下でこんなむごいことが二度と起きないように。

 元気で朝出かけた我が子が、一瞬の間に高熱に焼かれた。黒焦げになった遺体の山。
誰が誰かもわからず、当然遺骨もみつからない。
それでも、確かに我が子は存在していたことを残したかったと、当時の様子を思い出して、絵をかき、 ふとんをきせてあげた。 
実際はふとんなどなかったけど、せめて、やすらかに眠れる場所をつくってあげたかったと。 
ピカの日から60年たって、初めて話す人は、

その時の様子は今でも目の前に生生しく、アリアリとある。 
話したく ない、でも聞いてほしい、つたえたい。
こんなムゴイ事が二度と起こらないようにと。

  ムゴイという台詞を言う時、いつも、このことが浮かんできます。
  日本の広島と長崎にいかにムゴイ事が起こったか、それを起こしたのも人間だということ、戦争の恐ろしさと愚かさを思わずにはいられません。

そんなことを胸に、必死で台詞をおぼえ、けいこをしてきました。 
是非、観にきてください。