突然ですが―
私には苦手なことがたくさんあります。
例えば、運動すること。人前で何かやること。自分の考えを述べること。感情を表現すること…。
お芝居を観るのが大好きな私は、いつも、舞台上で自分の苦手とすることをやっている役者さんたちが、とても輝いて見え、うらやましく思っていました。
ものすごーく迷って、ものすごーくドキドキしながら、劇団にメールを送り(電話だと緊張しすぎて訳わからなくなりそうだったので)入団したのは2006年11月。もう1年も経ってしまいました。
演技するということは、とても難しい。自分が感じたことや経験したことを辿っていき、考えたことを体全体を使って表現する。みんなの前で自分を試されているような感じ。
ああ、なんて恐ろしい…胃は痛くなるし、心臓は口から飛び出てきそうです。稽古の時も、本番前も、それはそれは…大騒ぎです。
それなのに。それでもがんばろうと思えるのは何ででしょう?
どうやら私は劇団の魅力に“はまって”しまったようです。
年齢も小学生から○○才まで。職業も会社員や主婦、専門職とバラバラ。
だけど、「良い舞台を創りたい」その思いはひとつ。
みんなで力を合わせて創りあげていく。その過程がたまらないんです。
そして本番。お客さんたちに何かを伝えることができたと感じられたとき、「やってよかった」と思えるのです。
次回の公演では、どんなことを伝えることができるでしょうか。
「やってよかった」と思えるように。そして、私が憧れた舞台上の人たちに少しでも近づけるように―私はまた、痛む胃を左手で押さえ、心臓が飛び出さないように口を右手で押さえながら、今日も稽古場へ向かうのです。