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今月のクローズアップ
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[2013年12月]
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三輪 多紀さん

はじめまして。三輪多紀と申します。今回の「闇に咲く花」から参加させていただいています。
演じるのは全くの素人で、みなさんに度々いろいろとご迷惑をかけています。せっかくのすてきな台本なのに、私のせいで完成度が低くなっては・・・とがんばっていますが、大きな声で台詞を言ったり、思ったことを表情に出したりすることは思っていたよりかなり大変なことで、あきらめてしまいそうになることもしばしばありました。舞台を見るのは大好きですが、実際にやるのはほんとに難しいと実感しています。
学生の頃からお芝居を見るのが大好きで、いろいろな劇場・劇団に足を運んでいました。出産と子育てのために、10年ちょっと観劇から足が遠ざかっていましたが、最近少しずつ出かけられるようになり、月に1本ぐらいのペースですが、見に行かせてもらっています。
お芝居は一度見始めると、劇場でチラシをもらったり、メールや郵便で公演案内が来たりとどんどんお知らせがくるのですが、見に行かないでいると、パタっと情報が入らなくなります。観劇復帰直後は、しばらくご無沙汰している間に大好きだった劇団が解散したのかインターネットなどでいくら探しても出てこなかったり、役者さんが変わっていたり、結構寂しい思いをしたのですが、「劇団ひの」はなんと40年も続いている!!やり続ける劇団側も、見続ける観客側も本当にすごいと思います。
ずっと見る方専門だった私が今回参加させていただいたきっかけは、掲示板に貼られたキャスト募集のポスターでした。何年も前にTVの劇場中継で、こまつ座の「闇に咲く花」を見たことがありました。お芝居を見るのは大好きですが、テレビで見ると臨場感が今ひとつないからか、大体途中で眠くなるのですが、この「闇に咲く花」にはすっかり引き込まれ、大変感動しました。生の舞台を見たことはないのですが心に強く残っていて、それで、掲示板に貼られたポスターの「キャスト募集」の一言につられてつい、劇団に電話してしまったのが事の始まりです。
最初は張り切っていましたが、今では2つの理由から、自分の浅はかさをかみしめています。一つは先ほども書きました、見るとやるのとは大違い、と自分のふがいなさにすっかり嫌気がさしているのと、もう1つは、台本について考えれば考えるほど、テレビで舞台を見たあのときの自分の感動は、見当違いだったんじゃないか、という気がしてきていることです。井上ひさしさんが言いたかったことはもっと違うことだったんじゃないか、すると、あのとき私がわんわん流した感動の涙はなんだったんだ、という思いがふつふつとわいてきて、頭の中の整理がつかない状態です。
あーあ、観客のままでいるべきだったかなあ、なんて・・・。でもここまで来たら仕方がない!公演本番まであと少し、見に来てくださった方たちに何かしらを伝えることが出来るように、見る方から見られる方に気持ちを切り替えて、しっかりがんばりたいと思います。

写真:道頓堀にて、森永のウェハースならぬグリコのキャラメルです