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今月のクローズアップ
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[2016年3月]
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北谷 多嬉さん

 気がつけば、私の人生の半分以上を、この劇団ひのと関わってきました。
 もともと父が演劇を観ることが好きで、幼い私を一緒に連れて行ってくれました。私が初めて観た劇は「オバケちゃん」。小学生にもなっていなかったので、あまり記憶がありませんが、それが始まりでした。それからいろいろな劇を観に行き、当時の私には少し難しかったであろう、キャラメルボックスや劇団☆新感線などの劇も喜んで観ていました。今思うと演劇に関わる環境が整っていたのだと思います。
 そしてある時、父が劇団ひのを見つけ、私に「演劇をやってみないか?」と言いました。それがきっかけで、小学2年生の時に劇団ひのに入りました。何も知らないところで、全く知らない人たちと一緒に演劇をすることはとても勇気がいることだったと思います。(たぶん当時の私は何も深く考えずに入ることを決めたのかな…?)でも、自分で言うのもなんですが、結構な人見知りなので、あの時父が言ってくれなかったら…、私が入ることを決めなかったら…今の自分はないと思います。

 最初に出た劇は「オリバー・ツイスト」でした。小学2年生には難しい内容だったのですが、お兄さん、お姉さんたちに囲まれながら、どうにかやり切った事は、我ながらすごいなと思います。
 入団してからも、父に観劇に連れて行ってもらっています。すると、芝居の見方がだんだん変わってきました。以前は「お話」を見ていたのが、芝居をやる側になってからは「役者」を見るようになりました。「あの人、前に観た劇に出てた人だ!」 また、台詞を言っている人よりも、その周りの人の演技を見たりして、楽しんで勉強しています。(最近はなかなか観に行けず、DVD観賞になっています)
 中学に入学し、部活動は陸上部。一気に忙しくなりましたが、それでも続けられたのは、演劇の面白さや奥深さを知ることができたからです。セリフも増え、重要な役もいただけるようになり、大きな充実感や達成感を得られるようになりました。そして高校生となり、ついに準劇団員から劇団員になることができました。中学よりもさらにハードな毎日ですが、大好きな演劇に関わっていられるのはとても幸せです。
 これからも、舞台女優の夢に向かって頑張りますので、よろしくお願いします。